*

Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

2020年5、6月開催探鳥会中止のお知らせ

日本野鳥の会札幌支部では新型コロナウイルス感染拡大を防止するため3月、4月に引き続き、5月、6月及び7月の八戸航路一泊探鳥会を中止といたします。

春となり、自然の中で楽しげに飛びまわる鳥たちの姿を一緒に観察できる探鳥会を楽しみにされていた会員の皆様には、大変に申し訳ありませんがご理解くださいますようお願いいたします。

なお、2020年7月以降の探鳥会につきましても、感染拡大の推移を注視しながら随時ご案内いたします。

日本野鳥の会札幌支部

中止する探鳥会

  • 5月3日(日) 西岡水源池定例探鳥会
  • 10日(日) 円山公園早朝探鳥会
    円山公園定例探鳥会
  • 24日(日) 手稲山口バッタ塚探鳥会
  • 6月7日(日) 西岡水源池早朝探鳥会
    西岡水源池定例探鳥会
  • 14日(日) 円山公園定例探鳥会
  • 21日(日) 厚別川河畔林・カッコウ探鳥会
  • 28日(日) 石狩浜探鳥会
  • 7月24~25日(金・土) 八戸航路一泊探鳥会

詳しくは、こちらのPDFファイルをご覧ください。

2020年5,6月探鳥会中止のお知らせ(PDF)

タンチョウと今後も共に在るために

吉野智生(よしの・ともお)
(釧路市生涯学習部動物園ツル担当・学芸担当主査)

釧路に移住してからおよそ7年が経ちました。現在は主に阿寒国際ツルセンターでタンチョウの飼育や教育に関わっています。タンチョウは皆様ご存知の通り主に道東にすむ大型のツル類で、一時は絶滅寸前でしたが様々な保護活動によって約1800羽にまで回復し、道東以外でも増えてきました。一方で湿原の減少もあって酪農家や牧草地、畑などに進出し、いわば原野の鳥から里の鳥になったのですが、人間社会に近づくことで事故や農業被害など色々な問題が増えています。

タンチョウ

一方、個体数は増えましたが、いつまでも給餌に頼り切りなのは好ましくないため、越冬地の分散や感染症リスクの低下のため、ここ5年ほど環境省主導で冬季の給餌量を少しずつ減らしています。ただ減らすだけでなく、代わりに餌が取れる場所や、影響のモニタリングも必要です。またタンチョウは観光資源でもあるため、給餌のあり方、ひいてはタンチョウとの付き合い方、見せ方を改めて考える必要が出てきました。そこで私達はツルセンターのビオトープを整備して、本来の生息環境に近いところで餌を探す姿を観察できるようにすることを考えました。

ビオトープは阿寒川の河岸にあり、川から草地、湿地を経て里に至る一連のタンチョウの生息環境を含み、年間約100種の野鳥が観察できます。ただ、数年前に井戸が枯れて湿地が干上がっていたので、まず隣接する川からポンプで水をくみ上げて湿地を復活させました。加えて水路わきのヨシを刈り、池にたまった泥を掘って開けた水面と空間を作りました。その結果凍らない水面ができ、冬の間タンチョウが餌を探したり休んだりする姿が見られるようになり、夏も近くで縄張りを持つペアが立ち寄るようになりました。現在は月に1度、自然観察会を実施しながら、ボランティアの協力も仰ぎつつ整備を進めているところです。タンチョウと今後どのように共に在るか、阿寒ならではの付き合い方を模索していきたいと思います。

支部報「カッコウ」2020年4月号より

2020年4月探鳥会中止のお知らせ

日本野鳥の会札幌支部では、2020年3月に続き4月の探鳥会も中止とします。

未だに終息の見えない新型コロナウイルスには、探鳥会参加者への十分な感染対策もとれず、不安を抱えたまま探鳥会を開催することは難しく、引き続き感染拡大防止への協力が必要と考えられ、札幌支部は4月開催予定の探鳥会は中止としました。

春からの探鳥会を楽しみにされていた会員の皆様にはご理解頂き、ご協力よろしくお願いいたします。

以下の4月に予定しておりました3回の探鳥会を中止とさせていただきます。
なお、2020年5月以降の探鳥会の開催につきましては、随時ご案内いたします。

日本野鳥の会札幌支部

中止する探鳥会

  • 4月5日 第一日曜日 西岡水源池定例探鳥会
  • 4月12日 第二日曜日 円山公園定例探鳥会
  • 4月29日 水曜日、祝日 北大構内初心者探鳥会

ハクチョウが減っている?

宮島沼水鳥・湿地センター 牛山克巳

 中国でハクチョウ類の国際会議が開催されることになり,国内の状況について報告することになった。調べてみると何か変だ。日本のハクチョウ類は1980年代から急激に増加しているが,ここ十年くらいは減少傾向に転じている。その理由がよくわからない。

 データの精度の問題もあるだろう。参考にしたのは環境省のガンカモ類生息調査のデータだが,2008年の鳥インフルエンザの発生以降各地で給餌が自粛されると,ハクチョウ類が分散して従来のカウント方法では全数が抑えにくくなっていると聞く。しかし,例え数え落としによる減少はあるとしても,それだけでは年々減少傾向が続いている説明にはならない。

チャウンデルタのコハクチョウ。

写真:チャウンデルタのコハクチョウ。(提供:DIANA V. SOLOVYEVA)

 仮にハクチョウ類が本当に減少しているとすると,それは繁殖率と生存率の低下,国外への移出から説明できることになるが,国内で大幅に生存率が低下しているとは考えにくい。中国でもコハクチョウは減少しているらしいので,国外に越冬地を移したわけでもなさそうだ。ロシアの中継地での環境変化や狩猟圧についてはよくわからないが,それほどの影響は与えていないと信じたい。

 では繁殖地ではどうだろう。国内で越冬するコハクチョウの多くが繁殖するチャウンデルタから気になる調査結果が報告された。2002年の調査開始以降巣数が減少し,約8%の巣では産卵が見られず,それ以外の巣でも一腹卵数が減少しているというのだ。チャウンデルタのコハクチョウは1980年代の2,000羽から2002年の45,000羽と急速に増加しており,環境収容力を超えたことによって繁殖率が低下する密度効果が表れていると考えられている。

 総じてみると,コハクチョウは給餌等によって越冬地の生存率が増加し,個体数も増えたが,今度は増えすぎたことによって繁殖率の低下がもたらされていると考えられるだろう。同様なケースは北米のハクガンでも見られるが,ハクガンの場合は増えすぎたことで脆弱な極地植生にもダメージを与えている。増えすぎたコハクチョウが間接的に与えている影響も調べてみればあるだろう。

 不思議なことに,古い日本画を調べてみてもハクチョウが描かれているものは見つけられなかった。万葉集などで歌われていることも思ったより少ない。もしかしたらハクチョウ類の個体数は元々それほど多くなかったのかもしれず,ハクチョウ類保全のあり方について再考が必要ではないかと感じている。

支部報「カッコウ」2020年3月号より

2020年3月探鳥会中止のお知らせ

日本野鳥の会札幌支部では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年3月に予定しております探鳥会の中止を決定いたしました。

参加者のみなさまが不要不急の外出を控えて、多数の人との接触する機会を減らすことの必要性を考え、3月に予定していました4回の探鳥会すべてを中止とさせていただきます。
楽しみにしてくださっていたみなさま、たいへん申し訳ございません。どうぞご理解いただきますようお願いいたします。

なお、2020年4月以降の探鳥会につきましては、また改めてお知らせいたします。
 

日本野鳥の会札幌支部 副支部長 猿子正彦

探鳥会中止の配布書類(PDF)

警戒心の強かったアオサギが札幌の中心街へ来た

日本野鳥の会札幌支部 監事 足立英治

写真集・千歳川のカワセミを出版された写真家の嶋田忠さんが、かってそのトークショーで、警戒心が強く撮影しづらい鳥の筆頭にあげていたのがアオサギでした。野鳥に興味を覚えていた私もそんなアオサギを見るのは石狩川での望遠でした。人の姿を見ると数百メートルの距離からでも飛び去って行くアオサギの写真を撮りたくて背丈を超える葦原に身を潜めながら、見当をつけ方向へ延々と歩いた思い出があります。そっと顔を出した時の数十メートル先に羽を休める彼らの集団が居るのを見た感動が忘れられません。

1981年4月14日の私のフィールドノートに、豊平川雁来大橋上空を飛ぶ四羽のアオサギを確認した記述があって懐かしさを覚えます。その数年後には早朝の豊平川に時々目撃されるようになりました。アオサギは上空から札幌市、豊平川やその周辺に魚が泳ぐ多くの河川を確認し、そこに住む人々の行動をウオッチングしていたと思います。彼らの中で新しい餌場を捜そうとしたり、あるいは冒険心というか物好きな個体が街中のそれに気が付いたという事ではないでしょうか。現在では市中心部の豊平川や中島公園の菖蒲池や鴨々川、北海道庁前庭の池、札幌駅近くの創成川にも姿を見ることが多くなっています。中島公園に関して言えば、菖蒲池には豊平川からの取水で紛れ込むウグイなどが豊富で、彼らにとっては魅力的なポイントかも知れません。

よくカラスの知能の良さがいわれますが、アオサギもなかなかのもののようです。大阪の釣り堀や河川で釣りを楽しむ人々に取り入って、釣りあげられる魚を貰っている光景が知られています。旅館のゴミ出しの時間にやってきて旅館の人と仲良しになっている動画を見たこともあります。そういう行動の中にも人々との程よい距離感を保っている彼らの賢さを見ることがあります。余談ですがアオサギに釣られてかダイサギと思われるサギも数年前から冬季の中島公園に姿を現すようになっています。

アオサギの行動の面白さでは数年前の桜のころに、カメラを持って近づく人を恐れずにポーズをとる様な光景が滑稽でした(写真1)。公園に来る人たちの自分に及ぶ危険の度合いを判断しているのだと思います(写真2)。野生の逞しさと姿の美しさが公園で憩う人々との風景に交じり合う面白い光景も楽しめるものでした。こういう交流はこれからも続くと思われます。

写真1

写真2

支部報「カッコウ」2020年1・2月号より

2020年2月の行事案内

2月2日(第一日曜日)西岡水源池定例探鳥会

  • 時間・・・9時~12時
  • 集合・・・西岡公園管理事務所前 9時集合
  • 交通・・・地下鉄「澄川駅」から中央バス「西岡環状線」乗車、「西岡水源池」下車
  • 参加費・・・会員無料、一般300円
  • 野鳥情報・・・ツグミ、ミソサザイ、キバシリなど

去年の探鳥会記録はこちら → 2019年2月3日 西岡水源池


より大きな地図で 野鳥の会 札幌支部 探鳥地 を表示

2月9日(第二日曜日)円山公園定例探鳥会

  • 時間・・・9時~12時
  • 集合・・・円山公園南大通側入口 9時集合
  • 交通・・・地下鉄「円山公園駅」から徒歩3分
  • 参加費・・・会員無料、一般300円
  • 野鳥情報・・・エナガ、キバシリ、シメなど

去年の探鳥会記録はこちら → 2019年2月10日 円山公園


より大きな地図で 野鳥の会 札幌支部 探鳥地 を表示

札幌支部 「由緒正しい新年会」

今年も開催いたします。お気軽にご参加下さい。

    • 日時:2020年1月26日(第四日曜日)13時~16時
    • 会場:円山会館(札幌市中央区北1条西23丁目1−18)
    • 参加費:1500円(軽食、飲み物付き)
    • 講演:札幌市博物館活動センター学芸員・古沢 仁(NHKブラタモリ出演
      テーマ「札幌の自然について」
    • オークション:皆さんが持ち寄った寄贈品で行います。
      ***当日会場へ出品物が有れば持参ください***
    • 申し込み:ホームページ、探鳥会、電話、メールでお申し込みください。
      TEL 011-613-7973
      支部アドレス E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org
    • 申し込み締め切り日:1月20日水曜日月曜日まで
           (締め切りの曜日間違えてました。すみません)

新年のごあいさつ

日本野鳥の会札幌支部 副支部長 猿子 正彦

 新年明けましておめでとうございます。

会員の皆さま、今年はどのような年になるでしょうか。いずれにしても人にとっても野鳥にとっても夢のある明るい一年にしていきたいと思っております。

 さて、昨年はタンチョウが札幌市内の丘珠などに飛来して新聞などにも取り上げられて、とても話題になりました。

 近隣の長沼町や苫小牧市では幼鳥を連れた夫婦のタンチョウが通年、見られるようになってきています。

 将来は札幌市内にも定着して毎年見られるようになると、とってもうれしいですね。

 本年の8月22日~23日にかけて、道内の各支部代表や公益財団法人)日本野鳥の会の方々が札幌に集い「日本野鳥の会北海道ブロック支部連絡協議会総会」を開催します。札幌での開催は実に十年ぶりとなります。

 記念講演として、昨年8月に「さっぽろ野鳥観察手帖」(亜璃西社)を出版された河井大輔さんの講演も予定しております。会員であれば視聴は可能ですのでお手伝いも兼ねて是非、ご参加ください。赤い表紙の手頃な図鑑として市内の本屋さんでは売り切れが続出した本の執筆者です。どんなお話が飛び出すか、今からとても楽しみですね。

 本年も皆さまと野鳥にとって良い一年になるようお祈りいたします。

2020年 元旦

2020年1月の行事案内

1月5日(第一日曜日)西岡水源池定例探鳥会

  • 時間・・・9時~12時
  • 集合・・・西岡公園管理事務所前 9時集合
  • 交通・・・地下鉄「澄川駅」から中央バス「西岡環状線」乗車、「西岡水源池」下車
  • 参加費・・・会員無料、一般300円
  • 野鳥情報・・・ツグミ、ミソサザイ、キバシリなど

去年の探鳥会記録はこちら → 2019年1月6日 西岡水源池


より大きな地図で 野鳥の会 札幌支部 探鳥地 を表示

1月12日(第二日曜日)円山公園定例探鳥会

  • 時間・・・9時~12時
  • 集合・・・円山公園南大通側入口 9時集合
  • 交通・・・地下鉄「円山公園駅」から徒歩3分
  • 参加費・・・会員無料、一般300円
  • 野鳥情報・・・エナガ、キバシリ、シメなど

去年の探鳥会記録はこちら → 2019年1月13日 円山公園


より大きな地図で 野鳥の会 札幌支部 探鳥地 を表示

1月19日(第三日曜日)真駒内公園冬鳥探鳥会

  • 時間・・・9時~12時
  • 集合・・・サケ科学館前 9時集合
  • 交通・・・地下鉄「真駒内駅」からじょうてつバス「南90,95,96,97,98」に乗車「真駒内競技場前」下車、乗車時間約7分
  • 参加費・・・会員無料、一般300円
  • 野鳥情報・・・ヒガラ、マヒワ、ヒレンジャクなど

去年の探鳥会記録はこちら → 2019年1月20日 真駒内公園

1月26日(第四日曜日)札幌支部 「由緒正しい新年会」

  • 時間:13時~16時
  • 会場:円山会館(札幌市中央区北1条西23丁目1−18)
  • 参加費:1500円(軽食、飲み物付き)
  • 講演:札幌市博物館活動センター学芸員・古沢 仁(NHKブラタモリ出演
    テーマ「札幌の自然について」
  • オークション:皆さんが持ち寄った寄贈品で行います。
    ***当日会場へ出品物が有れば持参ください***
  • 申し込み:ホームページ、探鳥会、電話、メールでお申し込みください。
    TEL 011-613-7973  
    支部アドレス E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org
  • 申し込み締め切り日:1月20日水曜日まで

札幌支部事務所は12月28日(土)~1月5日(日)までお休みです。