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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

新年のごあいさつ

日本野鳥の会札幌支部 副支部長 猿子 正彦

 新年明けましておめでとうございます。

会員の皆さま、今年はどのような年になるでしょうか。いずれにしても人にとっても野鳥にとっても夢のある明るい一年にしていきたいと思っております。

 さて、昨年はタンチョウが札幌市内の丘珠などに飛来して新聞などにも取り上げられて、とても話題になりました。

 近隣の長沼町や苫小牧市では幼鳥を連れた夫婦のタンチョウが通年、見られるようになってきています。

 将来は札幌市内にも定着して毎年見られるようになると、とってもうれしいですね。

 本年の8月22日~23日にかけて、道内の各支部代表や公益財団法人)日本野鳥の会の方々が札幌に集い「日本野鳥の会北海道ブロック支部連絡協議会総会」を開催します。札幌での開催は実に十年ぶりとなります。

 記念講演として、昨年8月に「さっぽろ野鳥観察手帖」(亜璃西社)を出版された河井大輔さんの講演も予定しております。会員であれば視聴は可能ですのでお手伝いも兼ねて是非、ご参加ください。赤い表紙の手頃な図鑑として市内の本屋さんでは売り切れが続出した本の執筆者です。どんなお話が飛び出すか、今からとても楽しみですね。

 本年も皆さまと野鳥にとって良い一年になるようお祈りいたします。

2020年 元旦

2017年 新年のごあいさつ

日本野鳥の会札幌支部 支部長 山田三夫

あけましておめでとうございます。会員のみなさまはいかが新年をお迎えでしょうか。

昨年11月には、千葉県で開かれた日本野鳥の会連携団体全国総会に参加しました。ブロックからの報告のほかに、いくつかの団体から太陽光発電所(メガソーラ)の報告がありました。また懇談の席でも全国各地でメガソーラ開発の問題点が話題になっていました。

そのひと月後、なんと札幌市南区澄川に建設されるメガソーラについて、事業者から説明を受けることになったのです。場所は真駒内保健保安林(桜山)の東側、精進川を挟んだ民有地6haの開発です。ソーラパネル他の関連施設が3haの発電所を造るというものです。風力発電所の建設とは異なり、環境アセスをおこなう必要はないというのも大問題です。現地をふくめた樹林からは私をはじめクマゲラの生息情報があるところです。そうした稀少鳥類の調査さえする必要がないというメガソーラの建設は、法の隙間を狙い撃ちにした開発行為といえるでしょう。

再生可能エネルギーの利用は、本来温暖化を防ぐ低炭素社会をめざすのが目標であるのに、二酸化炭素を吸収・固定する樹林を伐採してメガソーラを造るのは本末顛倒というものです。早急に、法的な規制や基準を整備することが望まれていると考えます。

2017年 元旦

新年のごあいさつ

日本野鳥の会札幌支部 支部長 山田三夫

みなさまはどのような新年をお迎えになったことでしょう。

年末の衆議院議員選挙では各党、各人がさまざまな原子力発電へのスタンスを言っていましたが、わずか1年9ヶ月前に世界史に残る原子力の過酷事故をひきおこし、いまだ収束の見通しはまったく立っていない国の政党、政治家としては、いささか緊張感に欠けていると感じたのは私だけではないでしょう。

公益財団法人日本野鳥の会は2012年6月15日の評議員会で「原子力発電に関する当会の見解」を出しました。以下に一部を抜粋します。「日本野鳥の会は、原子力発電を国内外で推進する国の政策等に憂慮し、原子力発電を段階的に廃止し、世界的な脱原発社会の実現を求めるものとする」この理由3.にはこうあります。「国が進める原発設備や技術の輸出が、ひいては我が国と同じ状況を世界へ拡散する恐れがあること」

私はこの部分が画期的であるとおもわれました。民主党政権になってからも原発輸出を主導し、すでにベトナム、リトアニア、ヨルダン、トルコとの計画が進んでいることはあまり伝えられていないのではないでしょうか。野鳥には当然のことながら国境はありませんし、南へ北へと渡りを繰り返しています。よしんば日本だけが安全でも、野鳥にとっての安全にはなりえないからです。

kadomatu昨年の野鳥誌12月号には「脱原発社会をめざして」という8頁の小特集があります。この中の「放射性物質の野鳥への影響」では日本野鳥の会が取り組んでいる福島第一原発事故の影響調査の一部が報告されていますが、それはけっして予断を許すことのできないものばかりです。

私たちをとりまく自然環境についても健全であるよう見守っていきたいと考えます。

支部報「カッコウ」2013年1、2月号より