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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

自粛中のささやかな楽しみ

コウモリの会会員 小山田尚子

新型コロナウィルス感染拡大のため、2月末から通勤以外ほとんど外に出ない生活を送っていましが、近所の散歩などはしていいというので、4月末に毎年恒例にしている真駒内のカタクリの花を、父と一緒に見に出かけました。

この公園に行くと、エゾリスに出会ったり、色々な野鳥の声が聞けるのも楽しみなのですが、散策路に着くと、早速カラ類のさえずりが聞こえてきました。こんな状況の中でも、鳥は元気に頑張ってるなぁと、ほっこりした気持ちになりました。

さて、お目当てのカタクリですが、「カタクリの芽は糸状である」という情報を得て、是非見てみたいという父の願いを叶えるべく、目を皿のようにしての捜索を始めました。時期が少し早かったので、花はちょっと少な目だった代わりに、まだ他の草が茂っていないのが幸いして、赤い帽子(種の皮)を被ったカタクリの芽を見つけることができました。

カタクリの花が咲くのは8年がかりとのこと。この芽が一枚葉になり、二枚葉になり、そして8年後に花をつけたところを見届けたいものです。

念願のカタクリの芽を見つけたので、足どりも軽く帰る道すがら、鳥のさえずりに交じって林の奥からキツツキのドラミングが響いてきて、またまた心が和んでいくのでした。

新型コロナによる自粛も徐々に解除されてきていますが、まだまだ油断はできません。今年は様々なイベントが中止されていますが、8月に札幌で開催予定だった「コウモリフェスティバル」も中止になってしまいました。ウィルスの宿主はコウモリと言われている今だからこそ、コウモリの生態をお伝えできるいい機会だったのに残念です。皆さま、けしてコウモリを悪者扱いしないでくださいね。そして、もし日を改めてコウモリフェスが開催されたら、是非参加してみてください。最後は、一コウモリ好きからのお願いでした。

支部報「カッコウ」2020年7月号より

魅せられて~ああ、ブータン

菊池聖子(自然フィールドたび倶楽部)

世界一幸福な国として知られるブータン。最初の出会いは子供の頃見たTV。“丹前”によく似た衣装を着て、顔もどこか似ている・・・お米を食べ漆器を使い、味噌やソバもある。仏教を信じ挨拶時に礼をする。何だか日本の風習が昔のまま残り、記憶に眠る“遠い故郷”を思わせる、どこかなつかしい国。

初めて訪れたのは15年前。そんなイメージもぶっ飛ぶ不思議ワールドそのものでした。食生活の基本はトウガラシ?実は世界で一番トウガラシを消費する国。どこの家にも丸ごと“トウガラシ”部屋があり、そのまま食べたり隠し味も。当時何人もその洗礼にあい、お腹ゴロゴロピーに。道の駅なんかないし、青空トイレや民家を借りて・・・それは大変でした。最後は“イモ”!世界中だいたいどこでもあり、ただ蒸かすだけ。それがまさに救いの食材でした。また風呂に頻繁に入る習慣がないので、当然ホテルに湯船はなく簡素なシャワーにバケツがあるだけ。突然お湯が水に!止まるのも頻繁。まずはバケツに溜めてから。さらには停電も。あちこち隙間に何となくガタガタ。日本人の几帳面さをちょっと横へ置いて・・・それが楽しむコツと知る旅でした。

地形はまさに“北高南低”。北は7000m級のヒマラヤ、南は200mインドに隣接。川は北から南へ流れ、まるで急傾斜の坂のような国。そんな国も近年バードウォッチングで注目。でも日本のような変化に富んだ環境はなく、あるのは森林と川と畑。種類が乏しいのではと思いきや、標高差で変化する熱帯から高山帯までの豊かな森林が多くの野鳥たちを育む。独特な環境でしか見られない種類も多い。植物も今だ新種が発見される未知なる自然の国。今では外国人にあった食事が好評(地ビールも♪)、風呂もトイレも快適。それでも首都を離れると以前と変わらぬ風景が迎えてくれる。訪れた方はその自然よりも暖かな人々が印象に残るよう。行く度になつかしさと冒険があり、人々も自然も魅力的かつ面白い!

今頃は峠がシャクナゲで華やぐ季節。今年はコロナで行けないが、彼らや自然との出会いを多くの方に紹介したいと願っている。

ベニキジ オス 3000m台の峠 繁殖期でメスにアピール??(2019年4月撮影)

支部報「カッコウ」2020年5・6月号より

タンチョウと今後も共に在るために

吉野智生(よしの・ともお)
(釧路市生涯学習部動物園ツル担当・学芸担当主査)

釧路に移住してからおよそ7年が経ちました。現在は主に阿寒国際ツルセンターでタンチョウの飼育や教育に関わっています。タンチョウは皆様ご存知の通り主に道東にすむ大型のツル類で、一時は絶滅寸前でしたが様々な保護活動によって約1800羽にまで回復し、道東以外でも増えてきました。一方で湿原の減少もあって酪農家や牧草地、畑などに進出し、いわば原野の鳥から里の鳥になったのですが、人間社会に近づくことで事故や農業被害など色々な問題が増えています。

タンチョウ

一方、個体数は増えましたが、いつまでも給餌に頼り切りなのは好ましくないため、越冬地の分散や感染症リスクの低下のため、ここ5年ほど環境省主導で冬季の給餌量を少しずつ減らしています。ただ減らすだけでなく、代わりに餌が取れる場所や、影響のモニタリングも必要です。またタンチョウは観光資源でもあるため、給餌のあり方、ひいてはタンチョウとの付き合い方、見せ方を改めて考える必要が出てきました。そこで私達はツルセンターのビオトープを整備して、本来の生息環境に近いところで餌を探す姿を観察できるようにすることを考えました。

ビオトープは阿寒川の河岸にあり、川から草地、湿地を経て里に至る一連のタンチョウの生息環境を含み、年間約100種の野鳥が観察できます。ただ、数年前に井戸が枯れて湿地が干上がっていたので、まず隣接する川からポンプで水をくみ上げて湿地を復活させました。加えて水路わきのヨシを刈り、池にたまった泥を掘って開けた水面と空間を作りました。その結果凍らない水面ができ、冬の間タンチョウが餌を探したり休んだりする姿が見られるようになり、夏も近くで縄張りを持つペアが立ち寄るようになりました。現在は月に1度、自然観察会を実施しながら、ボランティアの協力も仰ぎつつ整備を進めているところです。タンチョウと今後どのように共に在るか、阿寒ならではの付き合い方を模索していきたいと思います。

支部報「カッコウ」2020年4月号より

ハクチョウが減っている?

宮島沼水鳥・湿地センター 牛山克巳

 中国でハクチョウ類の国際会議が開催されることになり,国内の状況について報告することになった。調べてみると何か変だ。日本のハクチョウ類は1980年代から急激に増加しているが,ここ十年くらいは減少傾向に転じている。その理由がよくわからない。

 データの精度の問題もあるだろう。参考にしたのは環境省のガンカモ類生息調査のデータだが,2008年の鳥インフルエンザの発生以降各地で給餌が自粛されると,ハクチョウ類が分散して従来のカウント方法では全数が抑えにくくなっていると聞く。しかし,例え数え落としによる減少はあるとしても,それだけでは年々減少傾向が続いている説明にはならない。

チャウンデルタのコハクチョウ。

写真:チャウンデルタのコハクチョウ。(提供:DIANA V. SOLOVYEVA)

 仮にハクチョウ類が本当に減少しているとすると,それは繁殖率と生存率の低下,国外への移出から説明できることになるが,国内で大幅に生存率が低下しているとは考えにくい。中国でもコハクチョウは減少しているらしいので,国外に越冬地を移したわけでもなさそうだ。ロシアの中継地での環境変化や狩猟圧についてはよくわからないが,それほどの影響は与えていないと信じたい。

 では繁殖地ではどうだろう。国内で越冬するコハクチョウの多くが繁殖するチャウンデルタから気になる調査結果が報告された。2002年の調査開始以降巣数が減少し,約8%の巣では産卵が見られず,それ以外の巣でも一腹卵数が減少しているというのだ。チャウンデルタのコハクチョウは1980年代の2,000羽から2002年の45,000羽と急速に増加しており,環境収容力を超えたことによって繁殖率が低下する密度効果が表れていると考えられている。

 総じてみると,コハクチョウは給餌等によって越冬地の生存率が増加し,個体数も増えたが,今度は増えすぎたことによって繁殖率の低下がもたらされていると考えられるだろう。同様なケースは北米のハクガンでも見られるが,ハクガンの場合は増えすぎたことで脆弱な極地植生にもダメージを与えている。増えすぎたコハクチョウが間接的に与えている影響も調べてみればあるだろう。

 不思議なことに,古い日本画を調べてみてもハクチョウが描かれているものは見つけられなかった。万葉集などで歌われていることも思ったより少ない。もしかしたらハクチョウ類の個体数は元々それほど多くなかったのかもしれず,ハクチョウ類保全のあり方について再考が必要ではないかと感じている。

支部報「カッコウ」2020年3月号より

警戒心の強かったアオサギが札幌の中心街へ来た

日本野鳥の会札幌支部 監事 足立英治

写真集・千歳川のカワセミを出版された写真家の嶋田忠さんが、かってそのトークショーで、警戒心が強く撮影しづらい鳥の筆頭にあげていたのがアオサギでした。野鳥に興味を覚えていた私もそんなアオサギを見るのは石狩川での望遠でした。人の姿を見ると数百メートルの距離からでも飛び去って行くアオサギの写真を撮りたくて背丈を超える葦原に身を潜めながら、見当をつけ方向へ延々と歩いた思い出があります。そっと顔を出した時の数十メートル先に羽を休める彼らの集団が居るのを見た感動が忘れられません。

1981年4月14日の私のフィールドノートに、豊平川雁来大橋上空を飛ぶ四羽のアオサギを確認した記述があって懐かしさを覚えます。その数年後には早朝の豊平川に時々目撃されるようになりました。アオサギは上空から札幌市、豊平川やその周辺に魚が泳ぐ多くの河川を確認し、そこに住む人々の行動をウオッチングしていたと思います。彼らの中で新しい餌場を捜そうとしたり、あるいは冒険心というか物好きな個体が街中のそれに気が付いたという事ではないでしょうか。現在では市中心部の豊平川や中島公園の菖蒲池や鴨々川、北海道庁前庭の池、札幌駅近くの創成川にも姿を見ることが多くなっています。中島公園に関して言えば、菖蒲池には豊平川からの取水で紛れ込むウグイなどが豊富で、彼らにとっては魅力的なポイントかも知れません。

よくカラスの知能の良さがいわれますが、アオサギもなかなかのもののようです。大阪の釣り堀や河川で釣りを楽しむ人々に取り入って、釣りあげられる魚を貰っている光景が知られています。旅館のゴミ出しの時間にやってきて旅館の人と仲良しになっている動画を見たこともあります。そういう行動の中にも人々との程よい距離感を保っている彼らの賢さを見ることがあります。余談ですがアオサギに釣られてかダイサギと思われるサギも数年前から冬季の中島公園に姿を現すようになっています。

アオサギの行動の面白さでは数年前の桜のころに、カメラを持って近づく人を恐れずにポーズをとる様な光景が滑稽でした(写真1)。公園に来る人たちの自分に及ぶ危険の度合いを判断しているのだと思います(写真2)。野生の逞しさと姿の美しさが公園で憩う人々との風景に交じり合う面白い光景も楽しめるものでした。こういう交流はこれからも続くと思われます。

写真1

写真2

支部報「カッコウ」2020年1・2月号より

河川の現状報告~河床低下とその課題~

建設コンサルタント会社勤務 角田 武

野鳥とほとんど関係ない話なのですが、縁ありまして記事を担当しました。今回は河川の話に少しお付き合い下さい。

私は、勤め先の建設コンサルタント会社で河川調査に18年ほど携わってきました。ここでは河川管理においてホットな話題である河床低下の問題を報告したいと思います。

河床低下とは文字どおり河床(川底)の高さが低下することを言います。通常の河川は河床に厚く砂礫が堆積しています。しかし、砂礫が流出すると河床には岩盤が露出し、次の段階では岩盤自体も洗堀されていきます。身近な例では真駒内あたりの豊平川が正にそうですね。

では、なぜ河床低下が起きるかというと、何らかの原因によりそこに溜まる砂礫よりも流出する砂礫の方が多くなるためです。つまり土砂収支のバランスが崩れた状態であり、このような川は「健全な川」ではありません。

河床低下は、水生生物の生息や産卵場所として大切な瀬・淵・わんどの消失、河原で繁殖する生物(カワラバッタ・コチドリ等)の繁殖地減少を引き起こし、自然環境へ大きな負の影響を与えることが明らかとなってきています。更にこれが重要なのですが、一定ラインを超えた河床低下は、税金を投入して整備した護岸や落差工などの河川管理施設を不安定にし、川を「危険な場所」にしてしまいます。

河床低下の本質的改善は流域の土地利用形態まで話が及ぶため実施は困難です。しかし、現状の自然環境や河川管理施設は維持していかねばなりません。河床低下の問題はここがクリアできずに、今、河川技術者たちは悩みながら改善技術を模索しています。

河床低下の改善、つまり礫河床の再生方法を技術的に確立することは、河川管理における本質的且つ最大の課題の一つといってよく、今後、私も貢献していきたい分野です。

支部報「カッコウ」2019年12月号より

「ようこそ、イラストから昆虫の世界へ」

栗山町 ふるさといきものの里オオムラサキ館元スタッフ
イラストレーター 照井奈都美

「国鳥」といえばキジですが、「国蝶」なるものがあるのはご存知でしょうか。日本昆虫学会によりオオムラサキが選ばれています。空知の栗山町にはオオムラサキを間近で観察できる「ふるさといきものの里オオムラサキ館」があり、私はオオムラサキのイモムシが好きだった事をきっかけに、縁あってこの施設のパネルやグッズなどのイラストを描いています。

日々昆虫に囲まれていると感覚が麻痺してしまいますが、多くの方は生きた昆虫が少しこわい。図鑑を暗記するくらいクワガタが好きな小学生が、初めて生きたクワガタを見た時の第一声は「ぎゃああしまって!」でした。好きな子でも本物を前にこの反応、多くの来館者は昆虫と疎遠な方だし、ましてや私が推したいのはクワガタより嫌われがちなイモムシ。でも可愛いのでみんなに見てもらいたい!ならば先にイラストで可愛い印象を与えてしまおうと、解説パネルの写真をイラストに変え、グッズにもイモムシを多めに描くことにしました。すると成果はすぐに現れ「ツノが可愛いね」「本当にこんな顔してるのかな?」と子どもや女性の興味を引き、本物のイモムシを楽しそうに観察する方が増えたのです。中には「イモムシ大きくなった?」と通う方や、イモムシグッズをコンプリートしてくれる子も。こうして、自分のイラストを通じてイモムシに興味を持つ方が増える快感を味わってしまった私は、更なるイモムシグッズ制作に精を出すのでした。その甲斐あってグッズの一番人気も渾身のイモムシグッズ…とはいかず可愛く描けたシマエナガのマグネットが大変人気です。

ふるさといきものの里オオムラサキ館

ふるさといきものの里オオムラサキ館 グッズ

国蝶オオムラサキが青紫色に煌めく翅を広げるのは7月、そして愛らしいイモムシの姿は6月頃がお勧めです。探鳥などで近くにお越しの際はぜひ栗山町へお立ち寄りくださいませ。

支部報「カッコウ」2019年11月号より

二枚貝の中にカニを見つけた経験はありませんか?
~カクレガニの不思議な生態~

公益財団法人 日本野鳥の会 鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリ
レンジャー 田島奏一朗

突然ですが、皆さんは味噌汁やレストランでムール貝の入った料理を食べた際に、「二枚貝の中にオレンジ色の小さなカニが入っていた」という経験はないでしょうか。私は大学時代、このカニについて研究していたので、その不思議な生態をご紹介します。

フタハピンノと宿主二枚貝

まず、端的にいうと二枚貝の中で見つかるカニ(カクレガニ)は貝に食べられているわけではなく、寄生または共生し、貝の食べる餌を横取りしています。二枚貝が隠れ家になっているのです。研究対象であるフタハピンノは数種類の二枚貝に寄生し、その寄生率は約80%もありました。では一体どのように二枚貝の中に入るのかというと、抱卵後に孵化した幼生が稚ガニとなった段階で貝へ侵入すると考えられています。また、成長したカニ(最大で甲幅1㎝程度)も二枚貝を自由に出入りできますが、飼育実験では貝に挟まり身動きがとれずにいる面白い光景も見られました。海外では別種のカクレガニが二枚貝の縁の隙間を最長4時間くすぐり続けて侵入することもわかっています。さらに寄生するフタハピンノと寄生された二枚貝の大きさの関係を見てみると、貝が大きいほど寄生するフタハピンノも大きくなっていました。二枚貝の閉じ込められた暗い世界の中で、カクレガニはひっそりと成長しながら暮らしているのです。

しかし、二枚貝の側から見るとよそ者が侵入してくるのは迷惑な話です。何か影響があるのか身入率(軟体部湿重量/殻重量×100%)を用いて調べたところ、フタハピンノに寄生された二枚貝は、寄生されていない二枚貝よりも中身の重さが少なくなっていました。フタハピンノの体サイズが大きくなるほど横取りされる餌の量も増えるため、悪影響が出てしまうのかもしれません。普段よく口にするアサリやマガキなどに寄生する別種でも、身入りに悪影響を及ぼすことがわかっています。

カクレガニは交尾をどこで行うか等、まだまだ生態の解明されていない謎めいた生きものです。皆さんも二枚貝を食べる際は、カクレガニが入っていないかどうか意識して探してみてはいかがですか。

支部報「カッコウ」2019年10月号より

いしかり森林ボランティア「クマゲラ」

いしかり森林ボランティア「クマゲラ」代表 若松隆

北海道の森林面積は554万haで全国森林面積の約四分の一を占め、林種別では天然林が豊かである事が特徴です。「クマゲラ」活動は森林保全に係る普及啓発などを目的に市民、行政、企業などと連携し、厚田区千年の森や石狩市高岡五の沢などをフィールドに市民レベルでボランティア活動を行っています。平成15年(2003年)の設立以来、季節ごとに枝打ちや間伐等の手入れ、苗木里親運動募集し植樹活動や各学校対象に森林教室を行っています。

環境教育として

昨年9月は北海道胆振東部地震、厚真町などの自然大災害には驚きました。環境教育活用の場「五の沢」の森も強風による倒木などで森林学習散策コースも大変な被害でした。毎年、春秋2回石狩市立緑苑台小5年生対象に森林総合学習を実施していますが、危険な個所が多くなり今年度はコースを急遽変更し、春は花川南防風林、秋は野幌森林公園となりました。5月10日事前に校内授業で森林の仕組み(動物・植物・微生物)や、南防風林に生息している稀少植物や絶滅危惧種を含むクマゲラ、エゾリス、キタキツネなどを写真で紹介し普段林内へ足を踏み入れる事がない子供たちに森の大切さや楽しみ方など体験させたい主旨で実施。6月11日には南防風林に於いて森林散策や、丸太輪切りなど小学5年生にふさわしい木育授業だったと思う。


普及啓発 “市民と会員で楽しむイベント”として

キノシュ木育里親運動制度とは 市民、道民が木の里親になり家庭の間で森づくりに参加できる地域緑化森林保全の意識を高めるための事業です。 ポットとドングリの種を用意し10月から翌年5月頃まで公共施設2か所に回収ボックスを設け自由に持ち帰り、戻った苗木を「森」へ植樹する。現在、「千年の森」などへ針・広葉樹8000本以上植栽しています。里親運動でご協力頂いた大切な木(苗)も森で現在順調に育っています。毎年一般向けのイベントとして専門講師をお招きし “春の森を歩こう山菜教室”や一般市民と会員も楽しめる “秋の森を歩こうきのこ教室” も開催し大変好評です。


作業現場では

ネマガリダケやとニセアカシアの多い場所にぶつかると地拵えも厳しいです。ササ刈後は翌年春に植林し2~3年後からは下草刈りから始まり保育の手入れ間伐へと作業は継続して行きます。設立当時から手入れの行き届かない森を健全な状態で後世へ残す事が我々の役目ですが、会員の減少、高齢化による人手不足、地球温暖化などで結果は直ちにはついてきません。「森」を育てるには長い年月と時間が必要です。会員の安全を第一に我々は日々努めています。

支部報「カッコウ」2019年8・9月号より

   

愛(かな)よ愛よシロハラクイナ

音楽家 林田 健司

僕が初めて彼に出逢ったのは雨上がりの石垣島。夕陽を追いかけてやって来た西海岸近くサトウキビ畑に挟まれた小径を歩いていた時彼は突拍子もなく、それは手品師がシルクハットから鳩を出すようにポンッと目の前に現れた。一瞬怯んだ次の瞬間その彼の愛らしいフォルムに目を奪われ立ち止まってしまった。どちらかと言うと鳥類が苦手な僕だが、彼の姿カタチと立ち居振る舞いにすっかり一目惚れしてしまったと言うわけだ。

彼は右側のサトウキビ畑から左側のサトウキビ畑へ移動するのに夢中で、ここが車の通る道だから気を抜いたら一発で殺られるということを知ってか知らぬかは定かではないがとにかく一心不乱に目的地を目指して左右の確認や道路を縦断する時の猫のようにキョロキョロと周りを見てゆっくりと、それでいて警戒心を決っして忘れないというような動きとは正反対でただ、ただ一目散に駆け抜けて行くのだ。僕はもう堪らなくなり思わずその様子にニッコリとした。それからと言うもの僕は島を車で走る時には彼等の姿を常に探し、尚且つ万全の注意を払っているのだ。

彼等の余りにも真っ直ぐな生き方が災いを呼び、道端で息絶えている姿をたくさん目にすることになったからだ。

観光で来たドライバーにとって信号の少ないこの島はさぞや気持ちのいいドライブとなることだろう。まさか飛ばないでわざわざ道を渡る鳥がいるなんて思わないモンね。石垣島の天然記念物に指定されていない彼等は、「だからねぇ~」そんなにみんなから大事にされないかっ。哀しい姿はよく見かけるけどねっ。それは結構見慣れた風景だしっ。「だからねっ。」でも僕にとって彼等は愛すべき存在なのだ!だからあぁ少しでも彼等の事を知ってもらえさえすればいい。島に来た時には道の端っこにも注意して、都会にはない生きものの暮らしにも目を向けて、綺麗な海や美味しいものだけでなく命(ぬち)ぐすいの島にある全ての豊かさも旅の思い出として持ち帰ってさえくれたらいい。

現在、島に住まわせて頂いている僕ができる感謝の思いのひとつとしても、まだ石垣島の事も「ヤンバルクイナは知ってるけどシロハクイナを知らないな」って人たちにも伝えたい事があるのでまずは僕がこのTシャツを着て活動する事で彼等に興味を持ってもらうことから始めてみよう。

散歩の途中、海を目指して車を走らせている時、僕はいつも願うのだどうか彼等に出会えますように。愛よ愛よ…シロハラクイナ。

シロハラクイナ

支部報「カッコウ」2019年7月号より