自然の宝庫 春国岱
レンジャー 大久保 明香
道東根室にある春国岱(しゅんくにたい)は、隣接する風蓮湖と合わせてこれまでに約340種の野鳥が記録されている国内有数の探鳥地です。4年前にネイチャーセンターに着任したとき、この山のない小さな平坦な島に、湖、海、干潟、草原、湿原、森と、多様な自然環境に生きる鳥たちが生息していることに驚きました。
5月は春国岱・風蓮湖において一年の中で見られる野鳥の種類数が最も多い月です。渡り鳥が多いこの地では、この時期、冬鳥、旅鳥、夏鳥がそろい約80種が確認されます。4月下旬から5月上旬にかけて、干潟には多くのミヤコドリがやってきます。最大で90羽ほどが見られ、これだけ大きな群れが見られるのは道内では春国岱ぐらいです。干潟ではホッキやアサリなどの漁が行われており、漁師さんのまわりでミヤコドリが貝を食べる様子は春国岱の春を象徴する光景です。人と野鳥の共生の姿が見られるのは、ワイズユース(賢明な利用)を掲げるラムサール条約湿地ならではでしょう。
6月になると草原や湿原の鳥がにぎやかになります。散策路を歩けば、空高くからヒバリのさえずりが降りそそぎ、湖ではタンチョウが食事をし、湿原に近づくとノビタキやオオジュリン、シマセンニュウ、マキノセンニュウなどのさえずりが聞こえてきます。上空に飛翔するオジロワシを眺め、森の方まで進むと、トドマツとアカエゾマツの新緑に包まれ、ルリビタキやミソサザイ、アカハラのさえずりが耳に心地よく響きます。
そうして晩夏には再びシギ・チドリの仲間が飛来し、秋にはオオハクチョウやカモの仲間が、冬にはオオワシやハギマシコなどの冬鳥がやってきます。季節ごとに見られる鳥が違うので、見たい鳥によっておすすめの季節は変わりますが、5・6月は気候も良く、初めて根室を訪れる方におすすめです。
……と、これだけ野鳥の話をしていますが、独特な成り立ちをし、多様な環境があり、日本離れした風景が広がる春国岱は、野鳥を抜きにしても魅力的な場所です。ぜひこの自然を体感しにお越しください。






















