バードウォッチングin杜の都
日本野鳥の会宮城県支部 幹事 岸野 一法
札幌支部のみなさま、はじめましての方ははじめまして。2016年から2020年8月まで札幌支部でお世話になりました。転勤で仙台に住むようになり、現在野鳥の会宮城県支部に籍を置いています。
さて、このたび池田さんからのご指名により宮城県の鳥スポットについてご紹介させていただくこととなりました。宮城県と言えばガンでおなじみの伊豆沼が有名ですが、今回は仙台市中心部に近い2か所をご紹介します。いずれも仙台駅から車で30分弱、ちょっと固めの牛タンなら嚙み切るには十分な時間です。
蒲生干潟(がもうひがた)は渡り鳥の重要な中継地として宮城県支部では月次のモニタリングを行っています。東日本大震災の津波で甚大な被害があり一時は干潟全体が消滅の危機に瀕し野鳥の数も激減したそうですが、いまでも春秋のシギチ中継地としての役割は大きく、また、毎年コアジサシの繁殖が確認されます。もう一つ忘れてならないのが冬のコクガンです。コクガンは宮城県内では北部の沿岸に数多く見られますが、干潟の河口付近には毎年10~20羽の群れが真水を飲みにやってきます。朝日をバックに沿岸から飛んでくるコクガンの美しさは格別のものがあります。
さて蒲生干潟から車で10分弱、仙台市若林区荒井にある農業園芸センターに大沼という沼があります。一周約2~3キロ程度の比較的小さな沼ですが冬はハクチョウやカモ類、夏はハスの花にとまるヨシゴイやバンの子育てなど四季を通じて様々な鳥が楽しめます。ハクチョウの中にアメリカコハクチョウを探したりカモの群れにトモエガモやミコアイサを探したりいつ行ってもなにがしかの楽しみがありますし、一度アカツクシガモのような珍鳥がきたこともあり気が抜けません。ぜひ宮城の鳥を見にきてけさいん。
支部報「カッコウ」2023年 11・12月号より
Submitted on: 2023年11月1日 投稿者:sapporo-wbsj