天売島の海鳥とネコ
海鳥の楽園として知られる天売島は、道北の日本海に浮かぶ小さな島です。周囲12kmほどのこの島には、8種類100万羽の海鳥と、360人の島民、そして200〜300匹のネコが暮らしています。
今回の話の主役は、この島ネコたちです。羽幌港からフェリーで天売島に行くと港周辺や集落にたくさんのネコたちがいます。多くが飼い主のいないノラネコで、中には集落から海鳥繁殖地に遠征をして、海鳥を襲うノラネコがいます。また、海鳥繁殖地周辺だけで暮らし、海鳥専門のハンターのようなノネコ(人家から離れた所に暮らす、人に依存していないネコのこと)もいます。このネコたちの影響を最も受けている海鳥が、ウミネコです。ノラネコ・ノネコにウミネコと、「ネコ」だらけで少し分かりにくいですが、20年ほど前には3万羽生息していたウミネコが10分の1に減った理由の1つに、1990年頃から繁殖地でよく見かけるようになったネコの影響が考えられています。ネコがウミネコのヒナを直接襲うことはもちろんですが、繁殖地にネコが入ることで親鳥が飛び立ち、その隙にハシブトガラスが卵やヒナを持ち去ることもあります。こうしてウミネコの繁殖がかく乱され、数を減らしてきたと考えられているのです。
ここまで書くと、まるでネコが悪者のようですが、もともとは人によって持ち込まれ、飼われていたペットです。ノラネコ・ノネコにとっても、海鳥の繁殖期が終わればエサが減り、冬が厳しく病気や交通事故に遭うリスクの高い屋外での暮らしは、決して安心して生活できる環境ではありません。
そこで、海鳥とネコの両方の幸せを守る、天売島ネコ対策事業がスタートしました。島内の飼いネコを登録制にして飼い主のいないノラネコ・ノネコを島外に出し、獣医師のもとで人が飼えるように馴らして、全道から新たな飼い主を募集する計画です。
この取り組みに北海道獣医師会が協力してくれることになり、昨年は天売島で飼いネコの登録作業を行いました。最新の医療機器をトラック1台分運び込んで開設した臨時の動物診療所で、飼い主が連れてきたネコにマイクロチップを挿入しました。これでノラネコ・ノネコと区別できます。
また、任意の避妊・去勢手術も、獣医師の丁寧な説明により、全ての飼いネコが受けてくれました。これで飼いネコから、新たにノラネコ・ノネコが生まれてくることを防げるはずです。
今秋からはいよいよ、ノラネコ・ノネコを馴化(人が飼えるようにすること)して新たな飼い主へリレーする事業が始まります。その際は、読者のみなさんにもぜひ新たな飼い主になっていただければと思います。天売島が、人と海鳥とネコの共生する島となることを信じています。
2013年7月の行事案内
7月7日(第一日曜日)西岡水源池定例探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・西岡公園管理事務所前 9時集合
- 交通・・・地下鉄「澄川駅」から中央バス「西岡環状線」乗車、「西岡水源池」下車
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・カワセミ、キセキレイ、ヤブサメなど
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7月14日(第二日曜日)円山公園定例探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・円山公園南大通側入口 9時集合
- 交通・・・地下鉄「円山公園駅」から徒歩3分
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・エナガ、オシドリ、キビタキなど
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7月15日(要入園料・祝日)八紘学園花菖蒲探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・八紘学園農産物直売所駐車場 9時集合
- 交通・・・地下鉄「福住駅」2番出口から徒歩5分
- 参加費・・・会員無料、一般300円
※ 別途入園料300円が必要 - 野鳥情報・・アオジ、ムクドリ、カワラヒワなど
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7月28日(第四日曜日)手稲山口バッタ塚探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・手稲水再生プラザ駐車場 9時集合
- 交通・・・JR「手稲駅北口」から8時20分発「循環手41」へ乗車、「山口団地6号棟前」下車、徒歩7分
- 参加費・・・会員無料、一般300円
- 野鳥情報・・・オオジュリン、エゾセンニュウ、アカハラなど
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※ 訂正
支部報「カッコウ」6月号の行事案内で7月20日~21日におこなう「八戸航路探鳥会」を支部会員限定と表記しましたが会員以外の方でも参加可能でした。お詫びして訂正させていただきます。
なお、お申込み締め切りは6月28日までです。
お申し込み、および詳細は電話またはFAXで。
電話:011-613-7973
E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org
札幌支部2013年度 新会員募集中
いつも札幌支部の活動へお力添え下さり有難うございます。
今、札幌支部では2013年度からの新会員を募集中!。友人、知人をご紹介いただければ入会案内などの資料を郵送致します。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。
電話:011-613-7973
E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org
左サイドバーのツイッター表示
ブログ鳥日和 15、16日の記事ふたつがツイッターへ自動投稿されませんでした。
「北海道神宮例大祭で参拝」 https://sapporo-wbsj.org/archives/3895
「オシドリファミリー、元気です」 https://sapporo-wbsj.org/archives/3903
HP左側のツイッター表示が古い方式だと表示されなくなっていたので、新しいモノに入れ替えました。
ツイッター自動投稿用プラグインも最新版に更新したので、いまのところはちゃんと動いているようです。
定山渓の鳥参上
以前「鳥参上」(一三八号)にご登場いただいた木彫家の三好さんは、今も豊平峡でフクロウを中心に黙々と木彫りに励んでおられます。その三好工房の庭が今回の鳥参上の舞台です。
まず初めはクマゲラです。三好工房の庭には三好さんの作品が無造作に置かれています。カラマツの台木に鎮座する「シマフクロウ」もそのひとつです。そこに参上したのがクマゲラ。「シマフクロウ」には目もくれず、コツコツとカラマツの台座をつつき始め、あっという間にカミキリムシの幼虫と思われる虫を取り出して食べてしまいました。それからもたびたびクマゲラの参上は続いているようですが、心境複雑なのは三好さん。
「フクロウはクマゲラの天敵ですよね。俺の作品のフクロウはクマゲラには本物に見えていないということか・・・。俺はまだまだ修行が足りない・・・。」
「いやいや、あれはシマフクロウ。シマフクロウは魚が主食だから、クマゲラにとって天敵ではないでしょう。つまりクマゲラは三好さんの作品をしっかりシマフクロウと認識しているのですよ。」「・・・。」
次いで三好工房の庭に参上したのはクマタカです。ここからは想像になりますが、車道を横切るアオダイショウとかエゾリスとかを目敏く見つけたクマタカが、急降下してきて車と接触してしまい、弾みで三好工房の庭に転がり込んできたという風に考えられます。赤い舌を出して、息も荒く、興奮状態のクマタカ。数多の木彫のフクロウたちを蹴散らし、大立ち回りを演じたクマタカの黄金に輝く虹彩に、こちらの目も釘付けになりました。クマタカのオスの虹彩は成長に従って灰青色から黄色・澄色・赤色と変化して、年齢が推定できますが、メスの虹彩は黄色のままで変化しないそうです。このクマタカは円山動物園に引き取られ、数ヵ月後に再び豊平峡の空へ放鳥されたようです。カムイ(神)を感じさせる偉大なクマタカの飛翔を今年も定山渓で見ることができたら嬉しいことです。
以上、「熊」の付く二種の鳥参上のお話でした。
2013年6月の行事案内
6月2日(第一日曜日)西岡水源池定例探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・西岡公園管理事務所前 9時集合
- 交通・・・地下鉄「澄川駅」から中央バス「西岡環状線」乗車、「西岡水源池」下車
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・カワセミ、カイツブリ、ツツドリなど
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6月9日(第二日曜日)円山公園定例探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・円山公園南大通側入口 9時集合
- 交通・・・地下鉄「円山公園駅」から徒歩3分
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・センダイムシクイ、キビタキ、キセキレイなど
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6月16日厚別川河畔林・カッコウ探鳥会(第三日曜日)
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・川下公園ピクニック広場駐車場 9時集合
- 交通・・・地下鉄「白石駅」から8時30分発「川下線」へ乗車、「川下公園」下車、徒歩7分
- 参加費・・・会員無料、一般300円
- 野鳥情報・・カッコウ、オオジシギ、ノビタキなど
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2013年カッコウ調査へご協力ください。
- 日:6月14日(金)、15日(土)、16日(日)の三日間の内1日だけ!
- 時:調査日の明け方から12時までの間で1時間ほど
- 調査地:市内または周辺のいずれかで、調査地はご相談させて下さい。
お問い合わせ先:札幌支部事務局住友まで
電話:011-613-7973
E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org
※ 昨年もご協力いただきました皆様には今年もどうぞよろしくお願いいたします。
札幌支部2013年度 新会員募集中
いつも札幌支部の活動へお力添え下さり有難うございます。
今、札幌支部では2013年度からの新会員を募集中!。友人、知人をご紹介いただければ入会案内などの資料を郵送致します。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。
電話:011-613-7973
E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org
2013年4月29日 北大構内初心者探鳥会
2013年4月29日 北大構内初心者探鳥会
- マガモ
- キジバト
- カワウ
- カモメ
- オオセグロカモメ
- トビ
- コゲラ
- アカゲラ
- ハシボソガラス
- ハシブトガラス
- ハシブトガラ
- コガラ
- ヤマガラ
- シジュウカラ
- ヒバリ
- ヒヨドリ
- ゴジュウカラ
- ムクドリ
- コムクドリ
- ツグミ
- ルリビタキ
- スズメ
- ハクセキレイ
- カワラヒワ
- イスカ
- アオジ
合計:26種
スズメの大量死の原因は「サルモネラ」
2005年~’06の冬季にみられたスズメの激減・大量死はすでに過去のこととなり、生息数も回復してきているようです。この異常な出来事の原因はいったいなんだったのでしょうか。
高病原性トリインフルエンザや気候、融雪剤の影響などのほか、新たな視点として、麻布大学の宇根先生がサルモネラの関与について報告しています。しかし、道央圏を舞台とした大規模な事象の原因としては最終的な結論のないまま現在にいたっていると言えましょう。
‘06年4月、騒ぎのさなか、旭川市内で網羅的なスズメの死体の採集が行われ、酪農学園大学野生動物医学センターに冷凍保管されていました。これらの死体は、原因追究の大きな手がかりですが、乾燥や変性が著しく詳しい検査には適さないことから手つかずのままでした。
‘10年、私は、定年退職を機に酪農学園大学の研究生として在学し、保存されていたスズメの死体と取り組むことにしました。以下、その結果を簡単に記させてもらいます。
原因として、細菌の関与から取り組むこととし、サルモネラの分離を試みました。死体の変性や保存期間が4年以上にわたることから培養検査に加え、PCR法による遺伝子の検索や抗体の検索もあわせて行いました。その結果、旭川市内から採取された47羽中6羽からサルモネラが分離されました。遺伝子や抗体の検索では菌分離陰性の41羽中33羽で反応があり、あわせて47羽中39羽(83%)にサルモネラの関与が認められました。’06年春季に滝川市、富良野市、札幌市、苫小牧市において採取されたスズメ17羽についても検査を行い、サルモネラは分離されませんでしたが、全羽が遺伝子あるいは抗体の検査で陽性でした。また、大量死発生時期とは異なる時期に採取されたスズメ10羽を対照として同様の検査を行いましたが、いずれの反応も認めませんでした。検出されたサルモネラは、小鳥に強い病原性を示す特殊なタイプのネズミチフス菌(ファージタイプDT40)であることが判明しました。
以上のことから、2005年~’06の冬季みられたスズメの大量死は、この特殊なサルモネラが道央圏のスズメの間に蔓延し引き起こされた可能性が極めて高いと考えました。
今回検出されたサルモネラと同じタイプのサルモネラは、欧州において冬期間にスズメを含む小鳥を大量に殺すことで恐れられており、20世紀末からは北米やニュージーランドでもスズメなどの小鳥に猛威をふるいました。日本ではこれまで検出したことのないタイプのサルモネラであり、新たな侵入(多分北からの)が今回の北海道におけるスズメの大量死を引き起こしたと考えられます。
この菌は、哺乳類に対する病原性は低いことが知られており、当時、スズメを通じて畜舎が広く汚染されましたが、家畜での発症例は2~3にとどまりました。イヌやネコを通じて家庭内にも侵入したと推定されますが、人での集団的な被害は見られません。しかし、感染症に関連し、野生動物と家畜、人がこのような極めて近接した関係にあることをまのあたりにした事例でもあったと考えられます。
2013年5月の行事案内
5月5日(第一日曜日)西岡水源池定例ゴールデンウィーク定例探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・西岡公園管理事務所前 9時集合
- 交通・・・地下鉄「澄川駅」から中央バス「西岡環状線」乗車、「西岡水源池」下車
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・カワセミ、クロツグミ、ヤブサメなど
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5月6日(祝日)宮丘公園ゴールデンウィーク探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・JRバス「上手稲神社前」バス停 9時集合
- 交通・・・地下鉄「宮の沢駅」から徒歩10分
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・ルリビタキ、アカハラ、モズなど
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5月12日(第二日曜日)円山公園バードウィーク定例探鳥会
- 時間・・・9時~12時
- 集合・・・円山公園南大通側入口 9時集合
- 交通・・・地下鉄「円山公園駅」から徒歩3分
- 参加費・・・会員無料、非会員300円
- 野鳥情報・・・キセキレイ、キビタキ、コサメビタキなど
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5月26日(祝)(第四日曜日)百松沢渓流探鳥会
- 時間・・・9時30分~12時
- 集合・・・定鉄バス 百松橋バス停 9時集合
- 交通・・・真駒内バスターミナル8時10分発定鉄バス「定山渓車庫前行き」へ乗車「百松橋」下車
- 野鳥情報・・・オオルリ、エゾムシクイ、オシドリなど
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札幌支部2013年度 新会員募集中
いつも札幌支部の活動へお力添え下さり有難うございます。
今、札幌支部では2013年度からの新会員を募集中!。友人、知人をご紹介いただければ入会案内などの資料を郵送致します。
皆様のご協力をよろしくお願い致します。
電話:011-613-7973
E-mail:cuckoo@sapporo-wbsj.org