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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

支部報カッコウWeb版

日本野鳥の会札幌支部の支部報カッコウがWeb版になりました。
現在通常通り支部会員の方には、郵送でお届けしておりますが、将来のことも睨んで会員限定ですが、Web版を作成いたしました。
札幌支部会員の方は、是非ご覧になって下さい。今月号の支部報にパスワード等の閲覧方法が載っております。

支部報カッコウ10・11月号

カッコウ:https://kakko.sapporo-wbsj.org
コメントなども付けられるようになっていますので、感想等お寄せいただけると嬉しいです。
また、紙面を飾る写真等も募集してますので、よろしくお願いします。

春国岱の秋の花、ウラギク

公益財団法人日本野鳥の会 春国岱原生野鳥公園担当レンジャー 稲葉 一将

 9⽉の春国岱の草原では、淡い紫⾊のウラギクの花が咲き始めます。ウラギクは、北海道東部や関東以⻄、四国、九州の塩分の多い湿地(塩性湿地)に生育するノギクの一種です。

 ウラギクは、生育環境が限られていることから、海岸の埋め立てなどにより全国的に減少しており、環境省のレッドリストでは、準絶滅危惧に指定されています。春国岱では、かつて木道沿いに高さ60cmほどのまとまった群落が見られましたが(写真1)、現在は、20cmほどの高さのものがまばらに生えている程度です。激減してしまった原因は、近年増加したエゾシカに食べられてしまったからです。

 エゾシカは、1年を通して春国岱に多数生息しており、特に秋から冬は、100頭以上の群れが見られます。春国岱は、食べ物が豊富で、狩猟・捕獲圧がないことからエゾシカにとって快適な場所になっていると思われます。エゾシカの増加は、ハマナス群落の減少や湿地の植物の踏み荒らしなども招いていており、春国岱の植生は危機的な状況に陥っています。

2005年9月13日に撮影されたウラギクの群落

 そこで、2014年に、ハマナス保護のため根室市歴史と自然の資料館と当会レンジャー等が参加する「根室ワイズユースの会」が共同で、一部の群落の周囲に防鹿柵を設置しました。柵の中では、ハマナスの樹高が伸び、エゾフウロやエゾノシシウドなどの草原の植物も多く復活してきました。また、2020年からは、環境省が中心となってエゾシカによるウラギクやアッケシソウなどの塩性湿地の植物の調査も始まりました。

 徐々にではありますが、春国岱の植生復活への道が切り開かれつつあります。秋風に揺れるウラギクの群落を再び見られる日もそう遠くないことかもしれません。

支部報「カッコウ」2021年 10,11月号より

2020年 野鳥の会札幌支部新年会

今年もやってきました、野鳥の会札幌支部新年会です。
山田支部長が来られなかったため、猿子副支部長による「由緒正しき新年会」のごあいさつから始まりました。

由緒正しき新年会

由緒正しき新年会

そして新年会講演は、札幌市博物館活動センター学芸員の古沢仁さんに来ていただきました。
札幌で発見された、サッポロカイギュウやコガネユクジラなどの古生物のお話からはじまり、地球規模のプレートの動きに、世界の中の札幌の位置による気候の特異性、札幌の開拓に関することまで、私達の住む地域の成り立ちや自然について写真や資料を映しながら、楽しくお話していただきました。

札幌市博物館活動センター学芸員の古沢仁氏

古沢仁さんによる講演会


あらためて、自分たちの住んでいる場所が、いろんな条件で豊かな自然に恵まれているんだなと、感じられた講演でした。

講演の後、懇親会開始の乾杯。恒例の参加者持ち寄り品によるオークション、豪華商品券が当たる福引など、令和最初の新年会は、にぎやかな雰囲気で終了いたしました。

オークション

オークション

参加していただいた皆さん、ありがとうございました。
今年もたくさん野鳥が見られますように。

バードソン2017最終集計

西岡水源池

  • マガモ
  • カイツブリ
  • キジバト
  • ツツドリ
  • ハリオアマツバメ
  • トビ
  • カワセミ
  • コゲラ
  • アカゲラ
  • ハシボソガラス
  • ハシブトガラス
  • ヤマガラ
  • ヒガラ
  • シジュウカラ
  • ヒヨドリ
  • センダイムシクイ
  • メジロ
  • ゴジュウカラ
  • コルリ
  • キビタキ
  • オオルリ
  • ニュウナイスズメ
  • スズメ
  • キセキレイ
  • カワラヒワ
  • アオジ

合計:26種天気:くもり

厚別川河畔林

  • カッコウ
  • オオジシギ
  • アリスイ
  • ヒバリ
  • オオムシクイ
  • オオヨシキリ
  • コヨシキリ
  • クロツグミ
  • ノビタキ
  • ハクセキレイ
  • ホオアカ

合計:11種天気:雨

モエレ沼

  • ヨシガモ
  • キンクロハジロ
  • カワアイサ
  • アオサギ
  • バン
  • オオバン
  • エゾセンニュウ
  • ムクドリ
  • コムクドリ
  • オオジュリン

合計:10種天気:雨

石狩川河口及び石狩灯台周辺

  • カルガモ
  • ウミウ
  • ウミネコ
  • オオセグロカモメ
  • オジロワシ
  • チュウヒ
  • ハイタカ
  • ハヤブサ
  • アカモズ
  • ショウドウツバメ
  • イワツバメ
  • ウグイス
  • アカハラ
  • ノゴマ

合計:14種天気:晴れ

円山公園

  • オシドリ
  • ヤマゲラ
  • ハシブトガラ
  • ヤブサメ

    合計:4種天気:雨

    合計:65種でした
    雨にも関わらず、ましこ隊長の「目標65種以上・・・」ぴったんこでしたね。

    ツイッター普及率0%(隊員内に限る)

    野鳥の会札幌支部ウェブ担当のHiroです。

    最初、支部長から
    「バードソンの状況をホームページで実況中継したいんだけど」
    と言われた時、屋外で見られた鳥の状況をアップするだけだから、ツイッターでツイートしてそれをホームページ上でも見られるようにするのが一番簡単かな、と思っていました。
    ところが、ちびけんさんが心配していたとおりで、隊員のほとんどがガラケーでツイッターやってる人がひとりもいないという、事実を知らされたのでした。ひとりくらいはいるだろうと思ってたのに・・・

    仕方がないので、ちょっと変則的ですが、札幌支部ウェブサイトに元々組み込んであった機能(今まで誰も使っていなかった)で携帯電話からメールで記事を投稿して、さらに普段は新しい記事を投稿すると自動でお知らせツイートしてくれる機能に「#バードソン2017」のハッシュタグを付けてバードソンのページでまとめて表示するという、多分隊員の方々にはちんぷんかんぷんであろう、技を使って実況中継をすることになりました。

    というわけで、直接ツイートでやり取りするっていうわけにはいきませんが、間接的にはお返事も出来るかもしれません。とりあえず、バードソン2017のページの上の方に、そのツイッターが表示されています。

    普段ツイッターを使っている人は、「#バードソン2017」で見られます。
    コメント、応援、叱咤激励、等も「#バードソン2017」のハッシュタグを付けてツイートしていただければ、ありがたいです。
    ツイッターをやっていない方は、このバードソン2017のページを見ていただければ、コメントなども見られるかなと。

    さてさて、とにかくやってみなければわかりませんが、どうなることやら・・・

    バードソン2017コース

    大まかな時間とコースです。交通状況やお天気などで多少変わるかもしれませんが、このくらいの時間にこの辺にいます。近所の野鳥情報や、おやつの差し入れなども大歓迎。応援よろしく。

    8時00分:西岡水源池

    アカゲラ、キビタキ、カラ類にマガモ、コガモ等、山野の鳥から水辺の鳥まで、スタートダッシュで40種以上は見つけたい。

    10時00分:厚別川河畔林

    モズ、オオヨシキリ、コヨシキリ他草原の鳥を中心に。

    11時30分:モエレ沼

    アオサギ、オオバン、ハヤブサ、ノスリ、などなど。

    13時00分:石狩川河口及び石狩灯台周辺

    ミサゴ、オジロワシ、ウミウ、ウミネコ、その他海辺の鳥。

    15時00分:円山公園及び円山周辺

    西岡水源池で見落としたリ、見られなかった種を追加する。

    16時00分:ゴーーール!!!

    目標の70種、いったかな?

    目印はこのステッカーです。
    バードソン2017ステッカー
    クルマかリュックの後ろか頭のテッペンか、どこかについてると思うので、ひと声かけていただけるとうれしいです。

    猿子隊長、バードソンを語る

    バードソン2017、いよいよ5月28日開催です。
    そこでチームを率いる野鳥の会札幌支部副支部長の猿子(ましこ)隊長にインタビューをおこないましたので、掲載いたします。


    今回のバードソンは、野鳥の会札幌支部の精鋭たちが参加とのことです。なかでも札幌支部のエースと言われる猿子隊長ですが、バードウォッチングをはじめた原点を教えて下さい。
    ましこ:中学校時代に「野鳥と共に」(中西悟堂著)という本を読んでいて「猿子鳥(ましこどり)」という鳥の名前があってビックリしました。
    図書館で調べたら、○○マシコと名のついた鳥が6種類もいて、2度びっくり、「オガサワラマシコ」は絶滅種とあって、ちょっと悲しかった。
    俺は鳥なんだ!と思い始めて、はまりました。
    本が意外に面白かったので近所の公園に鳥見に行ったら、本のとおりに、いろんな鳥が居たんです。
    運命を感じますね。バードソンの自信の程は?
    ましこ:札幌で見られる夏鳥たちは、5月が最も活動的で、いろいろな仕草も見られて面白く、かつ見つけやすい時期です。
    一人より二人いや四人で探せば、なんでも見つけられるぞい。ついでに財布も見つけたら、すぐに警察に届けます。
    お財布はともかく、珍しい鳥に見とれて、たくさん見つけるという目的を忘れないで下さいよ。それでは目標観察数を教えていただけますか。
    ましこ:60種から70種の間くらいと思ってます。
    本当のところ、実際の数はどのくらいだと思いますか。
    ましこ:当日の天候にもよりますがなるべく70種近くは出したい!雨だと50種行くかどうか・・・ですね。
    出来れば応援部隊が先発で居場所を見つけてくれているとうれしいです。
    あくまでも強気ですね。期待してます。ところで応援に行ってみたい人もいると思いますが、何時頃どの辺に行けば会えますか。
    ましこ:そうしていただけるとありがたや、ありがたや。
    抱きしめてキスしたいくらいうれしいですね。
    どの鳥も、そこの環境に暮らす地球の仲間ですから全部見つけて差し上げたいので、応援よろしくお願いします。
    なお、大体の時間と場所は、のちほどあらためて発表します。もう少し待って下さい。
    最後にひとこと、お願いします。
    ましこ:合言葉は「野鳥も人も地球の仲間」
    この言葉の深い意味を最近は良く感じます。
    支部設立の40年前に較べて、野鳥の数がとても減りました。鳥が減る、ということは人の生きる環境も悪くなってきている、ということ。
    バードソンでは、そんな人と鳥の生活環境に思いを馳せて、見て歩きたいです。
    10月写真展も、そんな視点を持って、しっかりとした内容で実施したいですね。
    目標65種以上・・・です。

    本日は、どうもありがとうございました。


    なお、バードソンの募金参加申込みは、ウェブ上でも受け付けております。
    → 「バードソン2017募金申込フォーム
    をご覧ください。

    鳥の羽で鳥をつくる

    デジタルバードウォッチング 連載第4回

    野鳥が好きな人なら、よく公園などで落ちてる羽毛を拾ったりするよね。ポケット図鑑に挿んだままになっていたり、フムフム羽ってこうなっているのかとじっくり観察したり、いっぱい集めてコレクションしたり。
    今回は、アートな目で見ると羽毛もこんなになっちゃうという事例。

    Cut Feather-1

    羽毛を細かく切り抜いて鳥の形を作っています。繊細。
    作っているのはワシントンのアーティスト、Chris Maynardさん。どうやってこれだけ細かい作業をやっているかというと、眼科手術用のはさみ、鉗子、拡大鏡を駆使しているようです。やっぱり普通のカッターやハサミじゃ無理か。

    Cut Feather-2Cut Feather-3Cut Feather-4

    指先の器用さに自信のある人、挑戦してみます?

    URL:http://www.featherfolio.com/
    このサイトの中の 「Cut Feather Shadowboxes」のページに作品が沢山並んでいます。

    ネットラジオで1日中鳥の声を聞く

    デジタルバードウォッチング 連載第3回

    今回ご紹介するのは、インターネットラジオです。

    中学生の頃、短波放送で世界のラジオ局を聞くのが流行っていました。当時、BBCのビッグベンの鐘の音やラジオ・オーストラリアのワライカワセミの鳴き声を楽しみに聞いていた人も多かったと思います。私も部屋で一人聞き耳をたてながら、ワライカワセミってどんなセミなんだろう?(てっきりセミだと思っていた)と遠い海外に思いを馳せていました。

    最近ではラジオのスイッチを入れることも滅多に無くなりましたが、ネットラジオはよく聞いています。「インターネットラジオ」で検索するとたくさんのラジオ局がヒットします。便利になったものです。
    ネット環境があればどのパソコンでも聞けますが、私は、iTunesの「ミュージック」>「ラジオ」で聞いています。英語ですが世界中のラジオが登録されていて、実に様々なジャンルの音楽が聞けるようになっています。

    ず~っとビートルズだけを流し続けている局とか、クラシック、ジャズ、ロック、年代別ヒット曲など特定のジャンルに絞って曲を流しているのが特徴です。ネット版有線放送みたいな感じでしょうか。私は仕事をしながらBGMとして聞いています。

    そんな中に一体何を考えているのか、一日中鳥の鳴き声だけを流しているラジオ局を発見しました。「birdsong radio」と「Brazilian Birds」です。朝から晩まで野鳥だけ。海外の放送なので日本で聞く鳥の鳴き声とは、ちょっと違う感じもしますが、鳥好きの人のBGMにはいいかも。
    ただしあまりマニアックな人は、「この声は何々だ」とか「日本の何々とは鳴き方が違うぞ」とか、いろいろ考えて仕事の効率が落ちそうだからやめたほうがいいかもしれません。


    Birdsong Radiobirdsong radio
    http://www.birdsongradio.com/
    小鳥たちの夜明けのコーラスです。

    iTunesは、「ミュージック」>「ラジオ」>「Ambient」>「Birdsong Radio」です。


    ウェブサイトでも聞けますが、↑ 再生用のプレーヤーをサイトに埋め込めるようになっていたので、試してみました。再生ボタンを押すと聞けます。


    Brazilian BirdsBrazilian Birds
    http://www.brazilianbirdsradio.com.br/
    こちらは、ブラジルの小鳥さんたち。
    ウェブサイトを開いて、サイトタイトルの少し下にある「Click here to open player」をクリックすると聞けます。

    iTunesは、「ミュージック」>「ラジオ」>「Ambient」>「Brazilian Birds」


    ちなみに、当時セミだと思っていたワライカワセミは、20数年後にオーストラリアで実物を見ることが出来ました。でかくてヌイグルミみたいなカワセミでした。