*

Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

Home

小学生の時の初めての海外での鳥の調査経験

ウトナイ湖ネイチャーセンターボランティア
自然ウォッチングセンターボランティアスタッフ
澤目 光輝(高校2年生)

ワライカワセミ

ワライカワセミ

私は小学三年生の頃から鳥に興味を持ち始めました。興味を持つ前はゲームばっかりやっていて仲良い人と一緒に遊びたいという考え方の人間でした。ある日のこと、両親から新聞の記事を見せられて鳥の調査をやってみないかと誘われたのです。ゲームをしたかったので一回目は断りましたが、周りの人たちに何度も説得されて結局行きました。すると思っていた以上に鳥の調査活動が楽しく、私はそこで鳥の魅力に惹きつけられ自然に関しての様々な活動を行っていこうと決心し、今もなお積極的にいろんな活動に参加してきました。その中で特に印象に残った体験や気付きをいくつか語らせていただきたいと思います。

それは鳥の調査でオーストラリアへ渡航したことです。この活動ではオオジシギという鳥の渡りルートを解き明かすために海外の研究者やボランティアの方々と共にオオジシギをバンディングによって捕獲し、体重を測り、発信機をつけて放鳥するという一連の流れを見学、体験させていただきました。ここで私が学んだことは生物を守り、扱うことはとても慎重に敬意を払って行うことであるということです。生物の調査をする時は人間が勝手に生物のテリトリーに入って何かしらします。この時に生物は人間たちを歓迎している訳では無いです。ですから、彼らから見てみればとてつもない脅威なのです。したがって私たちは生物に対して優しくなるべく害を与えないように接しなければなりません。これが自然と共生するということだと僕は思いました。

オーストラリアへ渡航した時にはじめて研究者や異文化の人たちと会いましたが、みんながフレンドリーで積極的に私に話しかけてくれたり、オーストラリアならではの文化、面白い鳥の知識なども積極的に教えてくれました。しかし、日本人は消極的でプライドが高い人達が多く、ついつい周りの目を気にしてしまい本当はやりたいのにできなくて後悔してしまったり、人と話し足りない部分があったりするのではないでしょうか。海外のようにフレンドリーに人と接したりごめんやありがとうを素直に言ったりして他人と積極的に関わったりすることが日本人には必要だと思います。これは生物を守るということだけではなく人と接することがどれだけ大切なことなのか、そして人と関わることで様々な活動に挑戦できるということも同時に示しています。

以上のことから最初は嫌なことでも試しに行動してみることが大切であると思います。最初からやってもいないくせに「そんなの楽しくない」「参加するのが恥ずかしい」という偏見を持ち行動しないということは絶対にしてはいけません。つまり、ものは試しなのです。そしてこの小さく大きな壁を乗り越えた先に趣味や生きがいを発見することができ、様々な人との出会いを通じて新しい自分へと変わっていきます。したがって、色んなことに偏見を持たずに挑戦し、楽しく苦い経験を乗り越え自分を見つめ直すことがこれから生きていくために最も重要であると思います。これからもたくさんの活動に参加したいと思っているので自然に関わる活動がありましたら誘っていただけると幸いです。

支部報「カッコウ」2025年1・2月号より