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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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いしかり森林ボランティア「クマゲラ」

いしかり森林ボランティア「クマゲラ」代表 若松隆

北海道の森林面積は554万haで全国森林面積の約四分の一を占め、林種別では天然林が豊かである事が特徴です。「クマゲラ」活動は森林保全に係る普及啓発などを目的に市民、行政、企業などと連携し、厚田区千年の森や石狩市高岡五の沢などをフィールドに市民レベルでボランティア活動を行っています。平成15年(2003年)の設立以来、季節ごとに枝打ちや間伐等の手入れ、苗木里親運動募集し植樹活動や各学校対象に森林教室を行っています。

環境教育として

昨年9月は北海道胆振東部地震、厚真町などの自然大災害には驚きました。環境教育活用の場「五の沢」の森も強風による倒木などで森林学習散策コースも大変な被害でした。毎年、春秋2回石狩市立緑苑台小5年生対象に森林総合学習を実施していますが、危険な個所が多くなり今年度はコースを急遽変更し、春は花川南防風林、秋は野幌森林公園となりました。5月10日事前に校内授業で森林の仕組み(動物・植物・微生物)や、南防風林に生息している稀少植物や絶滅危惧種を含むクマゲラ、エゾリス、キタキツネなどを写真で紹介し普段林内へ足を踏み入れる事がない子供たちに森の大切さや楽しみ方など体験させたい主旨で実施。6月11日には南防風林に於いて森林散策や、丸太輪切りなど小学5年生にふさわしい木育授業だったと思う。


普及啓発 “市民と会員で楽しむイベント”として

キノシュ木育里親運動制度とは 市民、道民が木の里親になり家庭の間で森づくりに参加できる地域緑化森林保全の意識を高めるための事業です。 ポットとドングリの種を用意し10月から翌年5月頃まで公共施設2か所に回収ボックスを設け自由に持ち帰り、戻った苗木を「森」へ植樹する。現在、「千年の森」などへ針・広葉樹8000本以上植栽しています。里親運動でご協力頂いた大切な木(苗)も森で現在順調に育っています。毎年一般向けのイベントとして専門講師をお招きし “春の森を歩こう山菜教室”や一般市民と会員も楽しめる “秋の森を歩こうきのこ教室” も開催し大変好評です。


作業現場では

ネマガリダケやとニセアカシアの多い場所にぶつかると地拵えも厳しいです。ササ刈後は翌年春に植林し2~3年後からは下草刈りから始まり保育の手入れ間伐へと作業は継続して行きます。設立当時から手入れの行き届かない森を健全な状態で後世へ残す事が我々の役目ですが、会員の減少、高齢化による人手不足、地球温暖化などで結果は直ちにはついてきません。「森」を育てるには長い年月と時間が必要です。会員の安全を第一に我々は日々努めています。

支部報「カッコウ」2019年8・9月号より