円山のゼフィルス
札幌周辺では、林が残っていれば、緑色のゼフィルスの仲間が、住宅のそばでもみられるかもしれません。緑色のゼフィルスの仲間、という分類で森林の中を探すと、天気が良ければ緑色のゼフィルスには、割合と会うことができます。ゼフィルス、とは、チョウ目シジミチョウ科のミドリシジミ族の古い呼び名です。語源はギリシャ神話の西風の神ゼピュロスだそうです。緑の妖精ともいわれています。
ゼフィルスの仲間によく似ている種類としては、カラスシジミという、緑色のミドリシジミ類より一回り小さいシジミチョウがいます。ミドリシジミ亜科カラスシジミ族のシジミチョウで、ゼフィルスではないです。地味で控えめな色合いのチョウチョです。
緑色のゼフィルスにメスアカミドリシジミという緑色の、ミドリシジミの仲間がいます。やや大型の金緑色の金属光沢のあるミドリシジミです。
金属光沢、とは銀紙のような、キンキラの色のことです。
平成二十四年の夏に、円山公園定例探鳥会担当のUさんから電話を頂き、「クルミの周りにいるミドリシジミを教えてくれ」と言っていただき、先入観で、しばらく、「クルミの周りにいるのはオナガシジミです」と繰り返しました。オナガシジミとは、金属光沢のない、ゼフィルスの仲間です。Uさんより、現場で撮っていただいた写真画像(左写真)を見せて頂いて、クルミの周りにいたゼフィルスがオナガシジミではなく、メスアカミドリシジミであることを知りました。
年によって微妙に時期が変わりますが、円山公園では例年6月後半から7月にかけて、山裾の何か所かで出現し、その美しい姿と華麗な飛翔を見ることが出来ます。ここ何年かは7月の定例探鳥会でも見られているようで、探鳥会参加者の感想文にも登場しました。