*

Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

Home

ふぉれすと鉱山に、にぎやかな春が来た!

NPO法人登別自然活動支援組織モモンガくらぶ/
登別市ネイチャーセンターふぉれすと鉱山
遠藤 潤

みなさん、登別にはお越しになったことはありますか?「登別温泉に行ったことある!」という方が多いでしょうか。その登別温泉より西側の山間に、登別市ネイチャーセンターふぉれすと鉱山があります。
旧鉱山小中学校校舎と跡地を活用した社会教育施設として、ふぉれすと鉱山は、2002年4月にオープンしました。2007年より、私たちNPO法人モモンガくらぶが指定管理者となり、人と人、人と自然のふれあいを促進し、人づくり、地域づくりへとつなげていくことをコンセプトに、鉱山地区をフィールドとする自然体験の機会を提供し、0歳からアクティブシニアまで、自然観察など身近な自然を題材にした活動から、リバートレッキングなどアクティブな活動まで、四季折々、様々な活動を展開しています。

ふぉれすと鉱山は、幌別川の上流部、森と川に囲まれた鉱山地区(鉱山町)にあります。鉱山町とは、その名の通り、幌別鉱山で栄えた町があったところ。幌別鉱山は、明治末期、金銀銅の採掘から始まり、やがて山向こうから硫黄を採掘、その後それが主流となり、昭和初期には硫黄の生産が日本一になりました。3分の2世紀に及んだ幌別鉱山は、昭和48年に閉山。今では、その時代の歴史の遺構が森の中にひっそりと佇んでいます。

ふぉれすと鉱山周辺の5月のはじまりは、にぎやかです。キタコブシやエゾヤマザクラが咲き、オオルリやキビタキなど夏鳥たちが渡ってくる季節。渡ってきたばかりの頃は、オス同士が2羽3羽と一緒に行動している姿もみられます。早朝森を歩くと、クロツグミ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、アオジ、イカル、そして、水辺ではミソサザイ、コマドリたちの美しいさえずりが響き、夕暮れにはアカハラやコルリ、夜になるとトラツグミの鳴き声が雪どけの川の音とともに、静かな森に響き渡ります。こうして、渡り鳥たちが到着した順にさえずりの種類も増えていきます。

春という季節は、長い冬を越えてきた生きものたちにとって、待ち遠しかった季節。ふぉれすと鉱山で、私がいつも感じることは、自然や生きものたちが季節を教えてくれること。ぜひ機会があれば、森と川に包まれた季節を感じにふぉれすと鉱山にお越しください。

支部報「カッコウ」2022年 5・6月号より