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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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北海道開拓の村の野鳥たちの四季

日本野鳥の会札幌支部会員  鬼丸 順子

開拓の村は野幌原始林に囲まれた野生動物がたくさん生息している地域なので、毎日いろんな瞬間を垣間見ることができます。

春は残雪がある頃から、シジュウカラやシマエナガの混群が入口側のドウダンツツジの生け垣にやってきて動き回ります。ヤブサメ、センダイムシクイ、ウグイス、アオジ、キジバト、ハクセキレイ、ウソ、キビタキ、イカル、カラ類はいつものメンバーです。アカゲラ、コゲラ、クマゲラ、ヤマゲラ等も見かけます。アオバトはよく鳴いていますが、奥の方なので姿を見かけたことはありません。開拓の村の中でカッコウが鳴くのを聞いたことはないですが、カラスに追われて飛んでいくところを見たことがあります。カケスはたまにしかやって来ません。

夏になるとハイタカが右足にネズミを掴んで巣のある林の奥へ低空飛行して頭上を通過したり、クマゲラもツガイで鳴きながら飛んでいくこともあります。開拓の村の中でクマゲラがよくエサを取っていた大きな木があったのですが、最近の台風で倒れて取り払われたのは残念でした。子育て中のシマエナガは、山村部の東屋近くに2羽ですごい速さでエサを取りまわっています。よく大きなカメラを持った人が訪れますが、立ち止まって鳥の確認をしていると何が見えているのか聞かれます。シマエナガはじっとしていないので苦戦されています。夏の夕方は近くでトラツグミが鳴いたり、ヤマゲラがアスファルトの上を歩いたりしています。ゴジュウカラはあまり人を警戒しないのか2メートル近くでも地面を歩き回ります。小さな池が奥の谷の方にありますが、ひっそりとマガモのツガイがいるときがあります。漁村部の大きな池にはカエルを狙ってか、アオサギが水面を見ています。農村部の神社近くの木の上でコサメビタキがのんびり鳴いていました。

冬になると毎年キレンジャクの群れが来ますが、今年はヒレンジャクの群れが珍しく来て、その内の一羽が落ちていたそうです。そのままにしていたら朝から来ていたキタキツネがまもなく持っていったようです。エゾリス、ウサギ、ヘビなども見かけます。開拓の村は騒音も少なくて鳥たちをゆっくり見られる場所だと思います。

支部報「カッコウ」2022年 1・2月号より