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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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五感からの学び

NPO法人雨煙別学校 環境教育リーダー 諸橋 淳

 札幌支部の皆様ご無沙汰しております。今回、猿子新支部長様からの直々の指名を受けまして、書かせていただきます。実はこの「鳥参上」のタイトル(※)は、私が高校生の時に描いたものです。今、私は54歳になりました。もの心ついた時から野山で遊び呆け、中学3年の時に、山田前支部長に捕まり、入会しました。それから鳥見にハマって今に至ると言う訳で、随分と時が経ったものです。

 現在、私は夕張郡栗山町にある雨煙別(うえんべつ)小学校コカ・コーラ環境ハウスと言う施設で、町内の自然をフィールドに様々な体験プログラムを提供しています。栗山町と聞いて国蝶オオムラサキを思い浮かべる人は、自然保護への造詣も深い方だと思います。1985年(昭和60年)にオオムラサキの生息(道内では北東限)を確認し、その後町民と行政が共に協力し「人と自然が共生するまちづくり」が進められています。

 雨煙別小学校コカ・コーラ環境ハウスもこうした長い活動の延長上に成り立ち、2010年(平成22年)に廃校を宿泊体験施設としてリノベーションし、活動しています。 

 雨煙別小学校の自然体験プログラムの特徴はなんと言っても、学校の授業に取り込めるプログラム作りです。教育委員会の委託事業「ふるさと教育事業」を受け、小中学校の先生と共に教科の単元に合わせたプログラムづくりを実践しています。学力向上が目的ですが、もう一つの大きな意図はバーチャルではなく「実体験」から学ぶことを重視し、五感を使った自然体験(原体験)を充実させる事です。栗山町では授業にその活路を見出し、今では、多くの子供達が自然体験を通して学び、そして自ら遊ぶ姿が見られる様になりました。その中でも自然好きの子が遊び、学び続けられる環境作りが、今後の私達の新たな課題です。その先に担い手が現れることに期待しています。

 雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウスでは一般向けにも体験プログラムやイベントを企画しています。是非、ホームページ:Http://uenbetsu.jpをご覧下さい。

支部報「カッコウ」2020年8、9月号より

(※)「鳥参上」のタイトルは、支部報カッコウのサンプルページでご覧になれます。 → 札幌支部 支部報「カッコウ」
10ページ目です。