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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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「ようこそ、イラストから昆虫の世界へ」

栗山町 ふるさといきものの里オオムラサキ館元スタッフ
イラストレーター 照井奈都美

「国鳥」といえばキジですが、「国蝶」なるものがあるのはご存知でしょうか。日本昆虫学会によりオオムラサキが選ばれています。空知の栗山町にはオオムラサキを間近で観察できる「ふるさといきものの里オオムラサキ館」があり、私はオオムラサキのイモムシが好きだった事をきっかけに、縁あってこの施設のパネルやグッズなどのイラストを描いています。

日々昆虫に囲まれていると感覚が麻痺してしまいますが、多くの方は生きた昆虫が少しこわい。図鑑を暗記するくらいクワガタが好きな小学生が、初めて生きたクワガタを見た時の第一声は「ぎゃああしまって!」でした。好きな子でも本物を前にこの反応、多くの来館者は昆虫と疎遠な方だし、ましてや私が推したいのはクワガタより嫌われがちなイモムシ。でも可愛いのでみんなに見てもらいたい!ならば先にイラストで可愛い印象を与えてしまおうと、解説パネルの写真をイラストに変え、グッズにもイモムシを多めに描くことにしました。すると成果はすぐに現れ「ツノが可愛いね」「本当にこんな顔してるのかな?」と子どもや女性の興味を引き、本物のイモムシを楽しそうに観察する方が増えたのです。中には「イモムシ大きくなった?」と通う方や、イモムシグッズをコンプリートしてくれる子も。こうして、自分のイラストを通じてイモムシに興味を持つ方が増える快感を味わってしまった私は、更なるイモムシグッズ制作に精を出すのでした。その甲斐あってグッズの一番人気も渾身のイモムシグッズ...とはいかず可愛く描けたシマエナガのマグネットが大変人気です。

ふるさといきものの里オオムラサキ館

ふるさといきものの里オオムラサキ館 グッズ

国蝶オオムラサキが青紫色に煌めく翅を広げるのは7月、そして愛らしいイモムシの姿は6月頃がお勧めです。探鳥などで近くにお越しの際はぜひ栗山町へお立ち寄りくださいませ。

支部報「カッコウ」2019年11月号より