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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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地域を潤しシマフクロウの未来も作る取り組み

NPO法人シマフクロウ・エイド 事務局長 菅野直子

2017年9月に札幌で開催した当スライドトークに札幌支部副支部長様に参加いただいたご縁で投稿させていただいています。

10年前から、シマフクロウの保護・保全と普及・啓発を推進するNPOを浜中町で運営しています。代表が環境省のシマフクロウ保護調査員で長年携わる中で、保護の担い手や地域住民や一般への普及啓発が無い状況での今後の保護活動の行方を危惧したことから、そこを解決していこうと設立した団体です。

私個人としては、埼玉県から北海道に来て20年目です。20代前半に、仕事で腰を痛めリハビリのため始めた山歩きが、自然へ強い関心を持つきっかけになり、これ以降の人生が現在の活動に繋がっています。縁あって日本自然保護協会の自然観察指導員になり、長野県戸隠村で観察会の経験をさせてもらいました。最近になり、そこでお世話になった越水ロッジが日本野鳥の会協定の宿だと気づきました。オーナー夫妻には野鳥や草木・文化ついて毎回楽しく教えてもらいました。大学や多様な主体と連携した自然保護活動にも熱心で、晩年まで継続されていました。その後、自然や文化の意味や背景を自分の感性を媒介に分かりやすく伝えるインタープリターという資格に出会い、東京都の自然公園施設でその仕事に就きました。来訪者が自分の生活に戻った後も自然への興味・関心が持続したり、自然に対し自ら行動へ発展することを目指した様々なプログラム開発等に携わりました。

現在は、対象がシマフクロウになりました。生態系の頂点なのでそこが護られるとその下の様々な生き物も護られます。私たちのNPOは、一次産業の源でもある地域の環境保全に地域主体で持続的な保全活動が根付くことをもって、生物多様性保全と地域創生が両立を目指しています。その結果、シマフクロウも私たちの暮らしも守られている、といった状況です。この取組みは、他地域へ波及していくことを想定しています。緑の回廊の回復となり、移動分散中の事故や近親交配など、現在かかえている課題の解決につながると想定しています。専門の調査や研究はとても重要です。それと同じくらい、野生生物や私たちが暮らす環境の保全は、どうしてもそこに住む人たちや利用する様々な人たちの理解や協力が不可欠です。最近、これらをまとめたパンフレットを作りました。「みんなで守る」がキーワードです。札幌支部にも送付致しますので、続きはぜひ手にとってご覧頂ければ幸いです。

NPO法人シマフクロウ・エイド
https://fishowlaid.jp/

支部報「カッコウ」2018年6月号より