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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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鳥獣採集家 折居彪二郎採集日誌

2013 発行:折居彪二郎研究会 制作:一耕社

折居豹二郎

大部の書籍である。B5判600頁ハードカバー箱入。当然高価(本体価格6400円)である。しかし内容がぎっしりと詰まっている。出版元の一耕社のホームページに折居とはどのような人物なのか、また本書の出版の経緯をわかりやすく紹介している。長文となりますが以下に引用させていただきます。


《折居彪二郎(1883.7.15~1970.4.27)は、明治から大正、昭和にかけて、国内外の研究者の依頼を受けて鳥獣を採集し、日本や世界の鳥獣研 究に寄与した人です。その活動は、日本国内はもとより、千島、樺太、韓国、中国、満州、台湾、南洋諸島に及び、多くの新種を発見したことから学名に「オリイ」の名がついている鳥獣も数多くあります。

卓越した狩猟と剥製製作の腕を持ち、彼が作った鳥獣標本は大英博物館、山階鳥類研究所などに数多く収められ、 その偉業から「東洋のオリイ」と呼ばれていました。自宅は北海道苫小牧市のウトナイ湖(ラムサール条約湿地)の近く、美々川の畔にありました。
彪二郎は、鳥獣採集活動に当たって多くの「採集日誌」を残しています。その内容は、鳥学・哺乳類学の研究にとって貴重であるばかりでなく、非常に興味深い探検記でもあります。しかし、残念ながらそれらの採集日誌は一般には見ることができず、また、コピーなどで見たとしても、英文と片仮名、平仮名、漢文まじり、さらに非常な癖字なので、読むことは容易ではありません。このため、研究会の皆さんが数年をかけて「現代語訳」をし、読みやすい内容にしたのです。

今回の出版は、この現代語訳された採集日誌を、鳥学を志す人、大正、昭和初期のアジアの自然に興味を持つ人、折居彪二郎についてより詳しく知りたい人、また、野鳥愛好家の皆さんに読んでいただこうとするものです》

鳥学・哺乳類学を支えた男 折居彪二郎 ホームページより

巻末の年譜を見て驚いた。「1941(昭和16)年10月 日本野鳥の会札幌支部例会で講演」とあるのだ。これは戦前から会を作っていた土屋文男前支部長に詳しくお話を聞かなくてはいけないなと思った。

カッコウ2014年11月号ブックスレビューより(山田三夫)

一耕社出版のウェブサイトからご購入できます
鳥学・哺乳類学を支えた男
折居彪二郎