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クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人姉崎等

書名がなにかハウツーもののようだが、そうではない。話す柿崎等は、表紙にもあるように「アイヌ民族最後の狩人」である。

本書はヒグマに関することだけではなく、柿崎等の一代記にもなっている。少年期、青年期の話にも時代の背景がにじみ出(大正14年生まれ)、ひきこまれる。おもに千歳や蘭越の自然のなかで、狩猟者として生きた柿崎の生きかたは、おそらく誰にも真似ることはできないだろう。

「クマは私のお師匠さんです」とよく言うそうだが、クマへの接し方、クマをふくめた自然全体の見方がなんとも”自然体”なのである。そこにあるのは、まさにアイヌ民族の伝統や文化である─と、私は感じてしまう。

「子グマが母グマと穴籠りするのは三回、ようするに三年間は親と一緒。子グマはその三年間、親離れするまでに生きる術を親から全部教わります。(略)三歳になって初めてようやく山へ帰る力が出るんです」。「山へ帰る力」とはいい言葉だなー。

カッコウ 2012年7月号より
クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人姉崎等
姉崎 等 片山 龍峯
木楽舎
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