「心の里定山」へのお誘い
春の光を水面に乗せて豊平川が楽しそうに流れています。日本野鳥の会札幌支部会員の皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。この度は手前老爺が館長を務めております「心の里定山」に皆様をお誘いしたいと思います。
「心の里定山」は定山渓の自然と一体となり、心地よい時間を過ごせる名前通りの癒やしの空間です。心を潤してくれるコーヒー、紅茶等々の飲物やスタッフ手作りのスイーツ等を自由に取りながら、天然温泉の足湯やヒーリングラウンジ、茶室等で寛いで、束の間の日常からの逃避行を楽しんで戴けるのです。束の間と言っても午前十時から午後六時まで利用時間に制限はなく、出入りも自由で入館料はお一人様たったの千五百円です。他に、ぬくもりの宿ふる川の日帰り入浴とのセット(二千円)もあります。四季折々、定山渓の自然散策を楽しんだ後の足湯は本当におすすめです。春は桜や小鳥たちのさえずり、可憐な野の花、夏は蝶の乱舞や蟬しぐれ、秋は紅葉、八千草、虫の声、冬は白皚皚の雪景色と「心の里定山」の魅力は尽きません。そうした自然との出会いを一層深めてくれる自然関連、とりわけ野鳥に関する図書を数多く取揃えてあります。大人の時間、贅沢な時間をたっぷりと味わえる足湯カフェをぜひ体験してみてください。
定山渓は、皆様ご存知のとおり、温泉を含め、水に大変恵まれたところです。水が豊かであるということは植物も豊かであり、野鳥はじめ他の野生生物にとっても良好な生息環境ということです。そして、忘れられた定山渓の森には、美しさも、豊かさも、不屈さも、従順さも、謙虚さも、限りないなつかしさも、痛ましい思い出も、明日への夢も、何もかも溶けこんでいるのです。
定山渓の自然景観に眼を凝らす時、新たな驚きがあり、ある時はその姿があまりに美しく、またある時は峻烈な激しさをもって、そしてまた、母なるやさしさで、さらに、深い慈愛のまなざしをもって語りかけてくるのです。そこに神の意思をすら垣間みる思いがします。やはり自然は命そのものなのです。私どもNPO法人森と湯の里定山渓は、こうした定山渓の特異な自然環境を保全、活用することを目的として活動しています。
「心の里定山」を拠点として、定山渓の自然に触れ、生きとし生けるものを愛でることの喜びをひとりでも多くの人に感じて戴きたいと願っております。定山渓においでの節はぜひお立ち寄りください。お待ちしております。