CD サハリンの鳥
今年2月27日、元幹事の織田敏雄氏がご逝去されました。
先日「探偵!ナイトスクープ」(再放送?)というTV番組で、小樽のバイオリンおじさんという人物として出ていらっしゃいました。その時は、すでに病床からのご出演でしたが、ご覧になられた方もいらっしゃるかと思います。
番組では詳しく触れられていませんでしたが、織田さんは、このウェブサイトの右サイドバーにも表示されている「Voice of Hokkaido vol.6」など北海道の野鳥の声を集めたCDを制作されていました。
そこで、以前ウェブサイトをリニューアルした際に見られなくなっていたむかしの記事ですが、織田さん製作のCD「サハリンの鳥」を再録いたします。
CD サハリンの鳥
- Voice of Hokkaido vol.7
- 企画:日本野鳥の会札幌支部
- 録音・編集:織田敏雄
日本野鳥の会札幌支部幹事の織田敏雄さんが、VOICE OF 北海道シリーズの第7弾として「サハリンの鳥」を出版しました。織田さんは、1998年から2004年まで、7年間毎年サハリンをおとずれ野鳥の声を録音してきました。今回のCDはその集大成です。CDの内容などについて織田さんに聞きました。
- Q:
- サハリンをフィールドに選んだ理由は?
- A:
- 1991年ソ連が解体し、近くて一番遠かったサハリンが開放された。かつて北緯50度以南は日本領でもあったサハリン、住む人種や民族が代わっても自然は変わらないだろう。日本人も姿や声を親しんでいたこの地の野鳥たちの声をじっくりと聞いてみたかった。また、北海道とどのように異なっているのか?などと探究心とロマンが膨らみました。
- Q:
- サハリンは南北に950キロと長い島です。録音にいった場所は?
- A:
-
- オハ(人がいる最北端のコレンドールを含む)2002年
- ノグリキ(サハリンプロジェクトのすぐ近く)1999年
- ティモフスコエ 2001年
- スミルヌイフ(かつての国境の町)2000年
- マカロフ 2003年
- ユジノサハリンスク(1998年から2004年まで毎回経由した町)
- アニワ(北海道に一番近い町)2004年
- Q:
- 今回収録した鳥の聞きどころ
- A:
- なんといってもカラフトムシクイでしょう。サハリン全域に分布し、さまざまなバリエーションを持つ鳴き方をする小型の野鳥です。アカマシコは多くはありませんが「ナイストゥーミーチュー」と鳴いてくれました。
収録した野鳥
- ルリビタキ
- ビンズイ
- ヒバリ
- コチドリ
- アトリ
- マヒワ
- シマアオジ
- ギンザンマシコ
- マキノセンニュウ
- ムジセッカ
- カラフトムシクイ
ノグリキ周辺
- ツメナガセキレイ
- メボソムシクイ
- ノゴマ
- シマセンニュウ
- マミジロタヒバリ
- ムジセッカ
- カラフトムシクイ
ティモフスコエ周辺
- マヒワ
- ウソ
- コヨシキリ
- アカマシコ
- カラフトムジセッカ
- ノビタキ
- ムジセッカ
- ノゴマ
- メボソムシクイ
- アオジ
- シマゴマ
- ハシブトガラ
- カワセミ
- アマツバメ
- ニュウナイスズメ
- ベニマシコ
- 地鳴きコーラス
スミルヌイフ周辺
- メボソムシクイ
- ビンズイ
- シマゴマ
- ハクセキレイ
- アカハラ
- コヨシキリ
- アオジ
- カラフトムジセッカ
- コアカゲラ
- チゴハヤブサ
- アマツバメ
マカロフ周辺
- ビンズイ
- エゾムシクイ
- 不明鳥
- ショウドウツバメ
- コヨシキリ
- シマセンニュウ
- ハシブトガラ
- イソシギ
- マヒワ
- ムジセッカ
- アオジ
- カラフトムジセッカ
ユジノサハリンスク周辺
- オオジシギ
- キマユツメナガセキレイ
- シマセンニュウ
- オオジュリン
- カラフトムシクイ
- キビタキ
- コルリ
- カラフトムジセッカ
- ノゴマ
- シマゴマ
- アマツバメ
- キクイタダキ
- エゾセンニュウ
- ルリビタキ
- エゾムシクイ
- ルリビタキ
- ホシガラス
アニワ周辺
- マキノセンニュウ
- ゴジュウカラ
- ニュウナイスズメ
- ベニマシコ
- シマゴマ
- カラフトムシクイ
- コガラ
- ツバメ
- ムクドリ
- メボソムシクイ
- キビタキ
- コムクドリ
- コヨシキリ
「サハリンの鳥類 3」V.A.ネチャエフ 著 藤巻裕蔵訳 極東鳥類研究会 1997年 によると、サハリンでは355種の野鳥が記録されており、うち189種が繁殖しています。
ちなみに北海道は、341種で繁殖は160種(日本鳥学会1974年)となっています。