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Sapporo Chapter Wild Bird Society of Japan

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濤沸湖水鳥・湿地センターのご紹介

濤沸湖水鳥・湿地センター センター長 細川英司

リレーエッセイ150102写真

濤沸湖水鳥・湿地センターは、平成24年5月にオープンしました。濤沸湖が平成17年11月にラムサール条約の登録湿地となったことを受け、環境省が地元自治体である網走市と小清水町からの要請に基づき、環境学習・保全活動の拠点施設として整備したものです。施設の管理運営は所在地自治体である網走市が行っています。

館内は湖に面した野鳥観察のための展望スペース、「環境と生命の関わりを知る」をテーマとして濤沸湖の特性や生物多様性について、また、地域の方々のかかわりなどを学習するための展示スペース、周辺地域の情報提供コーナー、映像鑑賞のためのレクチャー室などがあります。

特にレクチャー室でご覧いただける映像「生命のゆりかご」は、一般社団法人映像文化製作者連盟の映文連アワード2013ソーシャルコミュニケーション部門優秀賞を受賞したもので、濤沸湖の成り立ちや湖と地域の産業のかかわりから四季折々の景観や動植物などが短時間(13分)にコンパクトに凝縮され、環境学習のコンテンツとしてだけではなく、鑑賞用としても充分にお楽しみいただけます。

年間を通して約250種類の野鳥が確認されている濤沸湖ですが、11月中に飛来のピークを迎えたと思われるオオハクチョウの一部は、そのまま濤沸湖に留まり越冬しています。センター寄りの湖面は海と繋がっているため一定の流れがあり、厳冬期でも完全に凍結せず、濤沸湖で越冬する野鳥は比較的センターに近い場所に留まる傾向がありますので、真冬でもセンター内展望スペースから観察ができます。
センターはオープンから3年目を迎えていますが、ラムサール条約の理念に基づき、濤沸湖の素晴らしい自然環境の保全と賢明な利用(ワイズユース)を進めるため、環境学習施設としての特徴を生かし、子ども向けの各種講座、一般向けの観察会等を日本野鳥の会オホーツク支部や濤沸湖ファンクラブ(センター登録ボランティアの団体)会員の皆さんなどからご協力をいただきながら開催しています。今後も地域の方々と共に、魅力あふれる施設としてのセンターを形作っていきたいと考えています。

札幌支部の皆さんの中には、以前からの野鳥の観察ポイントとして何度も足を運ばれた方もいらっしゃることと思いますが、濤沸湖周辺での野鳥観察にお越しの際は、是非濤沸湖水鳥・湿地センターにお立ち寄りください。

〒099-3112網走市字北浜203番3地先(白鳥公園となり)
濤沸湖水鳥・湿地センター TEL/FAX(0152)46-2400
休館日:月曜日(月曜祝日の場合は翌平日休館)

支部報「カッコウ」2015年 1,2月号より